絶対悲観主義で中学入試に臨んだら
前回、当ブログで、絶対悲観主義を紹介しました。
最初から「絶対に成功しない」という構えをもつことで、仕事に対して気楽に向き合うことができ、失敗が気にならず、うまくいけば喜びは倍増、過去の成功体験の呪縛からも自由になるという考え方です。
自分に都合よく考えないので、成功を期待せず、失敗してもダメージを受けず、たんたんと自らの能力に磨きをかけ、精進を重ねるしかないことになります。
中学受験に置き換えれば、ハナから最難関校に合格できると思うのがそもそも間違い。
「志望校にはまず受からない」と思うところからスタートです。
実際、データの上でも中学受験において第一志望に合格するのは約3割というのが現実です。
7割が第一志望に受からず受験を終えることになります。
それほどおかしな考え方ではないと思います。
「難しい入試問題は解けるはずがない」と思えばいいです。
勉強に着手するハードルが一挙に下がり、「わからない」「できない」のが普通なので、問題を間違えることは常に想定の範囲内、全く落ち込む必要がありません。
「立てた計画はその通りに進むはずがない」ので、やるべきことが計画どおりいかなくても完全に織り込み済みで、できないことにイライラすることはありません。
その代わり、「わかった」時、「できた」時に感じる喜び、楽しみは大きくなります。
その喜びにはまると、勉強すること自体がどんどん楽しくなっていくのではないでしょうか。
息子はもともと算数が大好きで、中学受験の問題を解くのが楽しかったように見えますが、なまじ自信をもっているだけに、簡単な問題をミスしたり、最難関校の難しい問題ができないと泣いて悔しがりました。
自分の能力を過信せず、「できなくて当たり前」と考えれば、もっと気が楽になり、逆に難しい問題ができたときの喜びがずっと大きくなったと思います。
少しもったいなかったと思います。
息子は結果として最難関校に合格しましたが、これが本当の意味での成功なのかはわかりません。
人生は長く、中学入学はゴールではないからです。
最難関校に進学すると、その中では、中学受験界最上位層の選りすぐりで構成される別次元の世界が広がっています。
その中で力を出せなければ、それまでに築かれた自信やプライドは一挙に崩れ、苦しみは人一倍、より深いものになるのではないでしょうか。
決して、最難関校合格=成功、とは言えないと思います。