偏差値時代、終焉の足音?
8/15から、日経新聞の特集で、「教育岩盤・漂流する入試」というコラムが1面トップに連載されていました。
仕事柄、毎朝日経に目を通すのですが、毎回このシリーズを読んでいました。
電子版でも読めますが、内容を紹介したいと思います。
初回は、「偏差値時代 終焉の足音」というタイトルでした。
<簡単に記事をまとめると…>
・少子化により入試環境が激変、偏差値で序列化される時代が終わろうとしている。
・大学による付属、系列校による囲い込みが進む
(早稲田、慶應での一般入試比率低下、明治による新たな中高一貫の系列校設置)。
・総合型(旧AO)入試も受験生の囲い込みを加速。高校も指定校推薦の枠確保に走る。
・第一志望の大学に入れた受験生は68%に。
・年内入試が主流になれば(現在半々、私大は過半)、一般入試の難易度を示す偏差値は意味がなくなる。
・総合型入試の受験生が増えるにつれて学力不足の学生が増えた(40%の学生は入学後に高校段階の補習を受けたという調査結果あり)。
・大学入学後の教育の在り方が問われている。
(大学では厳しい出口管理で学生を鍛えることが必要、との柳沢・開成前校長の言葉を引用)。
まとめは以上です。
年内入試が主流になれば偏差値は意味がなくなる、ことはないでしょう。
意味がなくなるとしたら、全ての大学、特に難関大学が一般入試をやめて全て総合型(旧AO)と推薦入試に切り替えたときです。
総合型で入学した学生が増えたことで学力不足の学生が増えた、と指摘しています。
もはや偏差値時代ではなくなったので、結果的に学力レベルが落ちた、と読めてしまいます。
大学に入って高校の補習が必要、というのはさすがにないのでは?
大学にとって、少子化は経営上の死活問題ですから、学生を確保するため、「ガリガリ受験勉強しなくていい」総合型に誘導しようとしているのでしょうか?
記事は、入試制度ばかりにフォーカスし、受験生を引きつけるような、各大学の魅力、特徴的なプログラムや、ユニークな研究分野などを評価する話はありませんでした。
日本の大学のレベルは世界的にみてどうなのか? 気になりました。
イギリスの教育情報誌Times Higher Educationが毎年発表しているリストをみました。
教育環境、研究、論文引用数、国際性などの総合評価だそうです。
100位以内は、何と、東大(35位)と京大(61位)のみ!
101~400位内は、東北学、阪大、東工大、名大の国立4校のみ。
私大に至っては、全て400位圏外でした…。
上位はほとんど英米ですが、中国の2校(北京大、精華大)がトップ20入りしていました。
中国の足元にも及ばないとは…。
日本の大学、もっと頑張れ!
グローバル化時代、などといっていますが、やはり、最近耳にする「人への投資」がもっと必要なのではないでしょうか…。
日本の大学では出口管理をして学生を鍛えよ、との柳沢氏(前開成校長)の発言には激しく同意です。
中学受験は、先を見据えた戦略も必要です。
いわゆる「出口」を見て志望校を判断するという意味ではないです。以前ブログにも書きましたが、大学合格実績に囚われない方がいいと考えています。
中学に入学して終わりではありません。
そこから新たな生活がスタートしますので、中学受験で燃え尽き、合格後に無気力になってしまうと勿体ないですし、受験した意味がなくなってしまいます。