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 算数オリンピックというものがあります。

 小学生(メインは6年生)を対象とした全国規模の算数の大会です
 
数学のノーベル賞といわれるフィールズ賞を受賞した広中氏と数学者ピーター・フランクル氏の提唱で始まりました。

 この話を書こうと思ったのは、ちょうど6月のこの時期に予選があり、去年、小6の中学受験真っただ中で参加したことを思い出したからです。

 6月に地方予選を勝ち抜くと、夏の決勝大会に出場できます。

 息子は低学年まで数検をやっていましたが、そのときは親も算数オリンピックのことは知らず、小4の頃に、なんとなくその存在を知っていたものの、塾の復習や習い事(小4は続けていました)もあったりして、受けることはありませんでした。

 私も、中学受験の伴走者として、勉強の時間を管理する者(今から思えば全く親の勝手ですが)として、数オリは全く眼中にありませんでした。

 どこで思いついたのかわかりませんが、小6になってすぐくらいの頃、息子に「是非オリンピックに出たい」と言われました。

 受験勉強が佳境に入る頃でした。

 以前、本ブログの【最難関中学への軌跡】でも書きましたが、小5から小6にかけて国語が急落しており、立て直しが急務となっていました。

 そんなことやっている余裕はない。

 もっと他にやるべきことは山ほどある。

 頭ごなしに即否定したい気持を抑えつつ、調べてみました。

 すぐに問題が判明しました。

 予選当日がSAPIXオープン模試の日と重なっていたのです。

 SAPIXが算数オリンピックを後援している関係で、予選を塾の教室で受けることができること、また、オリンピックの予選は午後からですが、SAPIX生が受ける場合は、予選の本来の開始時間を後ろにずらし、オープン模試が終わった後に、受験可能であることがわかりました。

 オリンピックを後援しているのに、なぜ予選の日にオープン模試を入れてしまうのでしょうか、SAPIXさん…。

 もし参戦するとしたら、当日朝9時から14時半までオープン模試を受けた後、15時から90分の勝負となります。

 オープン模試の方は、通常の4教科(500満点)ではなく、4教科を2セット(タイプAとB、1000点満点)分受けなくてはならず、かなり疲れるので、その後にオリンピック予選というのは、さすがに集中力が続かないだろうな、と思いました。
 
 かといってオープン模試を受けないという選択肢はありえません。

 「ちょっと難しいと思う」と言いました。

 「それでもやりたい」というのが返答でした。

 他に国語など優先すべきテーマがあるので気が乗りませんでしたが、仕方なく、しぶしぶエントリーし、算数オリンピックの過去問を取り寄せました。

 問題を見てみると、公式を当てはめて解けるような問題はなく、方程式を使って解くことも難しく、一筋縄ではいかないものばかりでした。

 算数オリンピック予選に向け、その過去問を解く時間も確保しなければならなくなりました。

 コロナ感染が気になる時期ではありましたが、6月の予選はリアルで開催されました。

 結果は、予選を通過し、決勝進出することができました。

 決勝は感染対策のため自宅受験になってしまいましたが、開始時間にオンラインでアップされる問題をきっちり時間を計って回答し、提出しました。

 後から振り返ると、算数オリンピックのファイナリストになれたことは、本人にとって大きな自信に繋がったことは間違いありません。

 中学受験では強いメンタルが求められるところがあります。

 あの時止めなくて良かったとつくづく思いました。


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