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『このまま、眠らせてあげてください(;_:)』
『髙木さん、ちょっとお話いいですか? … はい。大丈夫ですよ…。』
先日、昼前の出来事だった。
『実はお願いがあって…。母を、このまま眠らせてほしいんです。お願いします…。
もうこれ以上、かわいそうで仕方ないんです。本人もそう望んでるし。』
ここ最近、めっきり体調が落ち込んでいるオードリーさんのお子さん方から懇願された、まさかの安楽死。
本人が先日、『もう楽にしてほしいの(;_:)』と言って、涙を流したという。
それを聞いた息子さんは、大そう心を痛めたようだ。そこで姉弟で相談した結果が、安楽死。
最近は、ご主人の方がまいってしまいそうな雰囲気で、とても心配だと言う。
現在の母親の状態も心配だが、父親も心配だ。
そして、これまで元気で、自由奔放に振舞っていた母親からは、想像もつかない、寝たきりの状態。
食事の量も極端に減り、食べても飲み込みが上手くいかず、吸引が必要になっている。
寝ている時間も長くなった。
目覚めている時は、何やらわからない言葉を大きな声で連呼している。
いつもきれいな洋服を着て、華やかに生活していた母親からは、想像もつかない今の状態。
そしてほどなく、ご主人も同席され、私にこう言った。
『お願いします。私ももう、彼女を見ていられません。』
オードリーさんとご主人は、それはそれは仲が良く、面会にいらっしゃっては、手を握り合い、お二人の世界に入られていた。
特に病気もせず、元気すぎるほど元気に、華麗に過ごされていた奥様の現状を、ご主人は、どうにも受け入れられないようだ。確かに、その気持ちがわからないわけではない。
でも…、
いかなる理由があったとしても、現在の日本では、安楽死は認められておらず、
それは出来ない。そう急がなくとも、オードリーさんにとって、その時はそう遠くはない。
ならば、ご家族には今を一生懸命に見守っていただきたい。
以前のように華麗に着飾ることも出来ないし、悠長な会話もできないかもしれない。
気の利いた誉め言葉も言えないかもしれないけれど、それでも皆さん家族であり、妻であり、母親であり、
唯一無二の存在であろう…。
たとえ今が、どんな状況にあったとしても、絶対に死に急いではいけない。その時が来るまでは…。絶対に…。
オードリーさん!あなたは、本当にそれを望んでいるの?
私は、あなたに辛い選択をさせているのでしょうか?
でもね、オードリーさん!私は、どんなに責められようと、どんなにご主人が辛いと泣こうと、どんなにお子様たちが懇願しようとも… 『わかりました。』というわけにはいかないのです。
願わくば… 今生きているこの時間を、大事に生きてほしいのです。
それが私の最後の願いです🌙🌈
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