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#5 "60代の1級建築士挑戦"
私は一五(いちご)と名乗る66才のオヤジ、
2021年、63才で2級建築士に合格、現在、1級建築士を目指している。
この投稿は、2級合格後から1級学科に独学合格するまでの回想録、
学習方法のご紹介など恐れ多い、
その時々のオヤジの行動や感情をつらつらと思い出してみた。
2級合格の連絡
2021年12月初旬、S院の営業より2級製図合格の連絡を受けた。
不合格を確信していたオヤジ、合格発表日すら忘れていた。
全く予期せぬ突然の朗報にしばしとまどい、心ここにあらず、
「免許登録など、その後の手続きについて説明したい」
「ハイハイ、ではこれから」二つ返事でホイホイと学校に出向いた。
平日の日中、電車で1時間の距離をものともせず一五オヤジの腰は軽い。
オヤジは”ヨイショ好き”
S院、一通り説明を受けた後、試験、講義の内容について雑談。
Sの営業は前任者から代わっていた。
前任は、押しも強かったがいいキャッチボールができて好感を持っていた。
うまくオヤジを持ち上げて、褒め言葉が心地よく入ってきた。
だが、後任との会話は微妙に不愉快、
オヤジの努力を持ち上げるどころか、
「製図合格はS院で夜遅くまで鍛えられたおかげ」とまで言う。
「一五オヤジはヨイショ好き、全くオヤジの気質をわかっとらん!」
営業センスのない奴よ😤
1級受験のスタート台に立つ
「ところで、1級建築士を受験する考えはお持ちですか?」
営業がオヤジを呼び出した真の目的は1級建築士コースを受講させることだった。
直前まで2級の再受験しか頭になかった状況、
“1級”という言葉を聞いて「ハッ!」とした。
“夢の1級建築士”、受験できるという事実、うまく表現できぬが、
体がゾワゾワと、髪の毛が逆立つような感覚だったか?
ただ、学科は2級の成功体験から、1級も、”やるなら独学”と思っていた。
通学の教室で若者に交じって一人浮いているのも嫌だった。
「もし学科に合格したら、製図はお世話になるかもしれぬ?」
と言い残して、S院を後にした。
独学の教材
季節は年末年始のホリデーシーズン、1級のことは頭にあったが、
やはりこの時期はゴロゴロ、だらだらしてしまう。
たっぷり飲み食い、2キロも太って2月の初旬、
何か行動せねばと、とりあえずネットでテキストと問題集を購入する。
ところが、内容があまりにも簡略過ぎて話にならない。
2級と同じ要領でと思ったが、1級はだいぶ勝手が違うようだ。
その頃、「何を?どう学習すれば?」と迷っているところにSの営業から電話が入る。
「一五様に学科独学でいくつか提案があります。ご都合は?」
この営業に良い印象がなかったが、背に腹は代えられない。
「いつでも空いてるよ。」
「では、これからそちらに向かいます。」
オヤジもひまだが、営業の腰も軽い、他に仕事がないのか?🤔
2時間後には近くのモールで会っていた。
提案されたのは「独学支援コース」、
通学なく、テキスト類に簡単なビデオ講義、模試が2回付いてくる。
ビデオは2級レベル、実質、テキスト類の購入。
何か、学習を始めるきっかけが欲しかった、迷わず即決契約。
後日、大きなダンボールが届いた、重量感がすごい、開けて並べる。
あまりに大量のテキスト類を前に1級の重みを実感する。
他に、ネットで高評価、オヤジが敬愛するミカオ先生こと原口秀昭氏の著書を3冊ネット購入。
ミカオ先生のYouTubeには助けられた、感謝!
「これらのテキスト類をいかに?どの程度活用したのか?」
あまり記憶に残っていない。
オヤジはスケジュールを決めて計画的に物事を進めるのが苦手、
ほとんど、行き当たりばったり、
ただ、少しだがオヤジ流のノウハウもある、これらは後ほど。
![](https://assets.st-note.com/img/1706328706185-YflzBKKimX.jpg?width=1200)
(法規集と購入したが使わなかったテキストは含まず)
1級建築士学科受験
1回目の本試験は惨敗(76点/125点)
季節は5月、6月、走っても走ってもトンネルの出口が見えない、
広い荒野をさまよい向かう方向が見えない、
結果、2回の模試はボロボロ、まったく手応えなく60~70点台、
合格レベルにはるか遠い下位グループ。
さらに、このころ、不整脈が再発、少し疲れがでると心臓バクバク、
8月に手術入院予定、学習に集中できる状態でもなかった。
病気理由に見苦しい言い訳をしたが、
この年の本試験は惨敗(76/125)に終わった。
試験の基本は暗記
11月にも手術入院があって、
本試験以降、この年の後半は完全にオフモード。
撮りためたビデオを見たり、本を読んだり、
ゆったり過ごしながらも、ぼんやりと戦略を考えていた。
「1級の学習範囲は2級とは桁違い、
前回は本試験前に全体の景色すらよく見えていなかった。
通学、模試の予定もない、長く孤独な戦いをどう乗り切るか?
モチベーションをどう維持するか?」
オヤジは1級も2級同様、「試験の基本は暗記」と考えている。
暗記の極み、計画で出題される “建築作品” は多くの受験生がタイパが悪いと後回しにするか、学習をあきらめるエリアだ。
ただ、運が悪いとこの科目だけで足切りをくらうリスクがある。
オヤジは気分が乗らない学習初期に ”建築作品” を徹底的にやった、
ここの過去問正答率、ほぼ100%。
直前の1ヶ月間、晩酌生き甲斐、アルコール漬けオヤジが断酒、
学習の半分を施工の暗記に集中した。
人生で一番勉強したかな?
家事、食事、散歩、買物、就寝以外はすべて学習時間、
好きなテレビ、さんま御殿も我慢した。
細かい数字の数々、あれやこれやと関連付けて繰り返し、
おかげで直前には全体の景色がしっかり見えるようになっていた。
さらに、試験前日、環境・設備で不安を感じていた箇所、
思い切って数時間をかけて表に整理したら、
なんと、それが、ズバリ当たった。
ラッキー! 努力は幸運を呼ぶ!
2回目の本試験
試験会場は2級、前回の1級と同じ千葉工業大学。
これで3回目、もう、すっかりベテランだ。
周囲を見る目も余裕、
「若者達よ、かかってらっしゃい」・・てなもんだ。
午前中は“計画”と“環境・設備”、前回と違って、
今回はしっかり出来た手応えがあった。
午後一番は苦手の法規、時間に追われながらも手応えを感じた。
「苦手の法規を乗り切った!」グッと気持ちが高鳴る。
最後の2時間45分、“構造”と“施工”、
悔いのないように満身創痍でやり切った。
実6時間30分に及ぶ試験はアッという間に過ぎた。
手応えはあった、集中した後の疲労感が心地よい。
試験会場を出るとお馴染みの光景、
資格学校が採点サービスを案内していた。
午前中の試験問題の回答も配布していたが、
2級同様オヤジは受け取らない。
オヤジは小心者、現実の結果を直視するのを怖れ先送りするのが常だ。
合格確実!
自宅に戻ってさっそくひと月ぶりの一杯、
「プハーッ!」ビールがうまい。
ほろ酔い加減でザクッと自己採点、悪くても95点は行けるか?
ようやくスマホを手に取りNの採点サービスにアクセス、
慎重に一問一問回答を入力、2回確認して送信。
しばらくして、スマホの「ポンッ」という音で採点結果の受信を確認、
酔いにまかせて、「エイッ」とメールを開ける。
例年の合格基準点は90点前後、Nの採点サービスで104点だった。
![](https://assets.st-note.com/img/1731134809-5v2Bq8AUKrX39NPcMzt6OElb.png?width=1200)
各科目の内訳は以下のとおり、
計画:17/20、環境・設備:15/20、法規:24/30、構造:25/30、施工:23/25
「べらんめぇ、一五をなめんじゃねえぞ」
久しぶりのアルコールがオヤジの高揚感を加速させる。
試験元のデータによる2023年学科試験の合格基準点は88点、
合格率は約16.2%だった。
残るは製図試験のみ、ようやく夢の1級が視界に入ってきた。
製図に挫折、試験を辞退
オヤジはこの後、Nの短期製図コースに通うも、学科猛勉強の燃え尽き症候群、手首の腱鞘炎、腰痛などが重なり気力続かず後半の通学は挫折、本試験も私事都合でパスした。
この後、現在に至るまでスイッチが入らず冬眠状態が続いている。
学科と異なり、製図の学習は重い、重すぎる、
製図版を常時机の上に置いているが、
ながめるだけで、なかなかその前に座れない。
気力、体力、知力に劣るオヤジ・・・なにかきっかけが欲しい。
手始めに先日、古いエアコンを入れ替えた、暖房効いて快適、机に向かえるようになるかもしれぬ。
または、Noteで、先人達の合格体験記に励まされ、ライバル達の熱意に闘争心が沸くかもしれぬ。
一旦スイッチさえ入れば、がむしゃらに頑張る!(願望)
なにがなんでも今年、2024年度に製図試験に合格、1級建築士を目指す!
一日も早く、”大きく太字で「1級建築士」と印刷された名刺”を、会う人毎に押し付けたい。
オヤジの自己顕示欲はあなたの想像以上に強い!
一五オヤジの1級建築士挑戦、応援していただけると嬉しい。