「新感覚!?次世代の食イベントをZ世代が考案!」
突然だが、皆さんは「食の好き嫌いの悩み」はあるだろうか。
この問題は、性別年齢問わず誰もがおそらく抱えている永遠のテーマでもあるだろう。
日本トレンドリサーチ(運営会社:株式会社NEXER)は、青山ラジュボークリニックと共同で子どもがいる60歳未満の全国の男女281名を対象に、「子どもの好き嫌い」に関するアンケートを実施した。この調査によると、子どもに食べ物の好き嫌いがあるか聞いてみたところ、64.8%が「子どもに食べ物の好き嫌いがある」、14.9%が「昔はあった」と回答している。さらに、「現在も子どもが好き嫌いしている」と回答した方に子どもの好き嫌いを直したいと思うか聞いてみたところ、「子どもの好き嫌いを直したいと思う」と回答したのは63.7%という結果になった。
子どもの好き嫌いは大人になれば直るケースが多いので無理に直そうとする必要もないかもしれないが、調査によると子どもの好き嫌いを直したいと思う人は多いことがわかる。
【参考文献】
【子どもの好き嫌い】64.8%が「子どもに食べ物の好き嫌いがある」どのように対策している? | 株式会社NEXERのプレスリリース (prtimes.jp)
Z世代の現状
そこで、私たちZ世代だけに注目してみた時に「Z世代の食の好き嫌いに関する実際の行動」はどうなのか。
日本インフォメーションが発信している「Z世代のイマ~食意識編~」の調査によると、 Z世代の回答傾向からは、「好き嫌いが激しい」という自覚が高校生を中心にY世代と比べあるようだ。しかし、野菜をよく食べ、糖分・塩分・油分を控え目に、低糖質・低脂質を意識する、といった好き嫌いがあまり見えにくい食への高い自己管理意識が、Z世代の回答から垣間見える。太らないようにカロリーを気にしつつ、美容に良い成分も重視して摂取するなど、Y世代と比べて食意識の高さ=美意識の高さがあるのでは?と思わせるような回答結果となった。
すなわち、嫌いな食べ物があると自覚しつつも、栄養バランスのとれた食事になるよう配慮していて、食生活についての意識が高いことがわかる。
ペルソナの特徴的なエピソード
これらの特徴を踏まえて、私たちは大学4回生の女性Kさんをペルソナに設定し、インタビューを行った。インタビューを通してKさんは、嫌いなものがあっても食材の組み合わせによっては食べられることが分かった。例えばKさんは、幼少期に飲んだシソジュースがまずかったことでシソが嫌いである。しかし、豚チーズにシソを巻いたものは好きで良く食べているそうだ。
また、Kさんは1度食べて嫌いだと思ったものは自分から食べることはあまりないということが分かった。Kさんはイカや貝などの甲殻類が嫌いである。理由は、生臭く、ぐにゅぐにゅした食感が嫌いだそうだ。普段は自分から嫌いなものを食べることはない。
一方で、好きなものには積極的な傾向があり、好きなもののアレンジを増やしたいといった声も伺えた。
ペルソナの意識×Z世代の意見
ペルソナは、嫌いなものがあっても組み合わせによっては食べられ、一度嫌いだと感じたものを再度自分から食べることがあまりないという特徴をインタビューを通じて伺えた。
一方でZ世代はどうなのだろうか?
嫌いなものがあっても食材の組み合わせによっては食べられますか?
一度食べて嫌いだと思ったものは自分から食べることはあまりありませんか?
というアンケートを実施した。
その結果、それぞれにおいて以下のことが読み取れた。
嫌いなものがあっても食材の組み合わせによっては食べられるか?という質問に71.4%がはいと答えた。
理由として、「苦手なものでも好きなものと組み合わせれば食べることができた経験があるから」「味などを紛らわせられる」といった声があった。一方で、いいえと答えた人には「香りの強いものに苦手なパターンが多いから」といったものが挙げられた。
2.一度食べて嫌いだと思ったものは自分から食べることはあまりありませんか?という質問には75%がはいと答えた。
理由として、「一度苦手だと感じると、次に同じものが出てきた際に苦手意識により躊躇ってしまう」「食べる勇気が出ない」「わざわざ嫌いなものを自分で作ることがない」といった声が上がった。一方で、いいえと答えた人には「克服したい思いがあるから」といったものが挙げられた。
これらのアンケート結果から、Z世代はペルソナと同様嫌いなものがあっても食材の組み合わせによっては食べられ、嫌いなものは再度食べる傾向にないことが読み取れた。しかし、克服したい思いがあり再度試みるといった声もあったことから、苦手意識を払拭するものであれば嫌いなものが食べられる可能性もあるのではないかと感じた。
結論
インタビューの結果から、ペルソナには世のZ世代同様、嫌いなものを組み合わせによっては食べられる可能性は感じているものの、自分から挑戦し食べてみる勇気が持ちづらいという悩みを抱えているように感じた。
しかし、ペルソナにはモノづくりの趣味があり、自宅でレジン作成や服のリメイクなどをしているそうだ。そのような背景からも挑戦してみようという気持ちや失敗をしてしまうことに抵抗はないように感じた。
アイデア
私たちは以上の結論をもとに、4つのアイデアを考えました。
①AIレシピイベント
②シェフ料理イベント
③きらいなものど~れだ
④教えて!味変ガチャ
①AIレシピイベント
【アイデア概要】
AIを活用した組み合わせレシピを提案、体験するイベント。好きな食べ物、嫌いな食べ物を入力し、AIがレシピを考案。そのレシピをその場でシェフが再現する。
【目的】
嫌いな食べ物をたべるきっかけにして、AIのレシピよって嫌いな食べ物のおいしい側面を見出してもらう。
【アイデアに対するZ世代の共感度】
Z世代にアイデアに対する意見を求めたところ、試してみたい人の割合が81.8%、試してみたくない人の割合が18.2%だった。
試してみたい派の意見で多く見られたのが「AIを使うことのわくわく感」だった。AIによる提案で、今までなかった組み合わせが発見できるという期待感が見受けられた。しかし、AIとシェフの組み合わせ、事前に何が提案されるかわからないことによる、事前に準備する食材の豊富さから、コスト面への懸念点も寄せられた。
◎ペルソナのFB
AIが絡むことで興味が増した。斬新なアイデアだと思うし、チャレンジしてみたい。シェフに作ってもらえる信頼感もある。実際に、AIで組み合わせを考えた野菜プリンの実例があるように、今後AIもますます料理に活用されていくことを期待する。
②シェフ料理イベント
【アイデア概要】
好きな食べ物、嫌いな食べ物を組み合わせた料理をシェフに目の前で作ってもらうという体験。(①のアイデアの、レシピをシェフに考えてもらうパターン)
【目的】
嫌いな食べ物との新しい組み合わせの発見することで、克服する。
【アイデアに関するZ世代の共感度】
このアイデアに対して、試してみたいと答えた人は63.6%だ。このアイデアは、レシピ考案の役割を①のAIから、シェフに変更したバージョンである。レシピを考える役割がシェフになったことで18.2%減少した。主な要因は、先ほども述べた「レシピに対するわくわく感」の減少と、「申し訳なさ」があるとの意見だ。AIが考えてくれるなら、苦手なものが食べられなかった場合でも、「まずい」と思うことに罪悪感は感じないが、シェフが考えることにより、「まずいと思ってしまったことに対する申し訳なさ」を感じるという意見は新たな視点であった。
◎ペルソナのFB
シェフ監修ということばに弱いので、面白そうだと思った。ちょっと高級そうな料理だとなおさら気になる。
③きらいなものど~れだ
【アイデア概要】
嫌いな食べ物を含んだ料理を数種類の中に紛れ込ませ、当ててもらうイベント。
【目的】
嫌いな食べ物を紛れ込ませることで、嫌いと言う概念を壊す。
苦手な料理が食べられるかもしれない可能性を見いだす。
意外と食べれる!を発見する。
【アイデアに対するZ世代の共感度】
このアイデアに対して、試してみたい人は36.4%で今回の4つのアイデアの中で一番共感度は低かった。肯定的なアイデアで、「視覚情報が無く、先入観を取っ払って口にすることができる」という意見が多かった。一方で、「嫌いなものが当たるという怖さから試すのが怖い」という意見が多く、絶対に克服したい!という強い意志がなければ挑戦するハードルは高そうだ。
◎ペルソナのFB
おもしろいアイデアだと思った。意外と食べられて美味しかったら、今後も食べる自信に繋がりそう。ただ、友達とのノリがないと勇気が出ない。
④教えて!味変ガチャ
【アイデア概要】
好きな食べ物の新たなアレンジを提案するアプリケーション。
例えば、今日カレーを食べたいが何かひと手間アレンジを加えたい場合、「カレー」と入力するとカレーに適するであろうアレンジの提案がいくつかガチャガチャの中に設定される。
【目的】
アレンジに勇気が出ない状態の人でも好きなアレンジを増やすきっかけにする。
【アイデアに対するZ世代の共感度】
このアイデアに対して肯定的な反応を見せたZ世代は63.6%であった。肯定的な意見の中には「いつも同じ料理になってしまうので、一癖ある料理が作れる」「強制力もなく、手軽に挑戦できる」「ゲーム感覚でできる」といった意見が見られた。否定的な意見は、「まずそうなものが出来上がるかも」という心配の声だった。これは、その組み合わせに対する口コミを掲載するなどで緩和できる可能性を考えている。
◎ペルソナのFB
意外な組み合わせが提案されることで、「その手があったか!」という気づきに繋がりそう
最後に
今回の調査で、Z世代は「何が起こるかわからないゲームのようなわくわく感」に惹かれることがわかった。実際に2023年7月にアドビが行った調査によると、Z世代はAIに対して「ツール」というより「コンテンツ」という認識をしている傾向にあることもわかっている。
https://blog.adobe.com/jp/publish/2023/10/26/research-2023-adobe-gen-xzy-ai-creativity-study
図からも読み取れるように、Z世代は「AI=おもしろいコンテンツ」というイメージが強い。ペルソナは、今まで食べてこなかった食に対するわくわく感を感じていることから、職と組み合わせることによってさらなるわくわく感が期待できる。
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