井上松五郎生誕200年
遅れた話題になってしまいました。
もっと早く触れるべきだった……気づきませんでした。
井上松五郎一俊
文政6年(1823)~明治4年(1871)。千人同心石坂組世話役組長。
弟は新選組六番隊組長・井上源三郎。
次男は新選組局長・近藤勇小姓(刀持ち)。
日野へ天然理心流を定着させた功労者。
千人同心としても、将軍上洛警護・天狗党一件・第二次長州征伐・最後の日光勤番と、歴史的事件の場にも赴いている。
剣術流派としては近藤勇・土方歳三・沖田総司の兄弟子という位置にあり、三者は頭の上がらぬ存在。
夢酔も井上さんには日頃より頭があがらぬ。
司馬作品の影響で土方歳三へと人気が偏りがちであるが、井上松五郎・源三郎兄弟の質実剛健な剣への情熱があってこその天然理心流だったことを理解する方は存外少ない。
西多摩新聞連載作品「千人同心がゆく」。
井上松五郎は、ひょっとしたら石坂弥右衛門に匹敵するほどの登場回数かなと思います。ちと、数えてみた。
バラガキ (2020年7月10日~12月4日)
戸吹の苦悩 (2021年8月6日~9月10日)
剣 客 (2022年4月1日~8月26日)
ぼくの日光勤番(2023年3月31日~10月6日)
血梅(ちばい)(2023年10月13日~11月10日)
どうする長州征伐(2023年11月24日~連載中)
結構、松五郎を使わせて頂きました。
ほかにも・・・
井上源三郎資料館HP「泰助の記」など。
なんだ、
井上松五郎のこと、好きなんじゃないか。
こないだの講演でお話を頂きましたが・・・。
沖田家と井上家はつながりが四世だそうです。
つまり。
沖田の姓のはじまりは総司の祖父・三四郎から。
井上分家(松五郎の叔父)から勝次郎が沖田家へ養子入りし、宮原久五郎娘・梅を妻にした。しかし勝次郎が早死にして、弟・井上林太郎元常が婿養子となる。沖田総司は勝次郎の子。その姉・ミツの夫は婿養子となった井上惣蔵(松五郎叔父)の子・林太郎房正。
林太郎とミツの娘・芳次郎は松五郎の娘・ハナを嫁にしています。
司馬史観に縛られ、その小説に影響されて、私たちは大事なことを忘れていたのです。井上家が近藤・土方・沖田を結び付けるかけがえのない存在であること。源三郎はおっとりしていない、むしろ武辺の者。その兄・松五郎がそれ以上の使い手だということ。
この世界線の小説は、まだない。みんな司馬史観に引きずられた井上家の扱いです。
これは、儂の獲物だ。
誰にも描かせるものか。
儂が、男の中の漢らしい源さんと、強さと器のでかい松五郎を描いてやる。