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神無月は「里見月」と呼びたい2024年

2024年10月。
世は神様が出雲へ出張する「神無月」になる。リモート会議は神様もやりたくないのだろう。神がいないと寂しいのですが、神に代わって世を元気にしてくれるのが、今年の里見氏でござる。

先取りの9月29日に・・・

そうです。里見家は新田源氏だから、群馬が最初に気炎を吐いた。

その少し前に、里見氏終焉の倉吉で・・・


今年は凄いものを作った。そのあとでご当地から総理大臣まで作ったのだから、今年の鳥取はイケイケだな。
 
房総も負けてはいられない。
 
映画『八犬伝』のプレミアムイベントとして開催される「スカイランタン®in館山城」
2024年10月14日(祝・月) 18:30~受付開始 19:30~イベント開始 20:15 イベント終了

この日は、里見関連のシンポジウムが終日行われます。夢酔も出席させていただきます。行政から忘れられた人にされていなくて、良かった。
だから10月を里見月にするというのも早計だ。
本命がある。

久留里は、ちゃんと里見義堯没後450年をバシッと出してきた。これは大きい!八犬伝というファンタジーじゃなく、里見正史で大きく打ち出してきたのだ。
しかも。

王道感のある企画展チラシ。
関連行事の数々。
映画の試写会にあわせたシンポジウムを企画した館山市よりも、里見正史的にはメチャクチャ王道だ。

大河ドラマになるなら、里見義堯がいい!

関東戦国史を見直せるし、北条・上杉・武田の三つ巴もあり、長野業政も里見とは関わってくる。ふたつの国府台合戦を描けるし、戦国江戸湾の海戦をいまの時代なら特撮じゃないVFXで再現できる。
これまでの大河で描いていそうでやっていないポイントが、実は多いのだ。
そしていぶし銀の戦国ファンがマニアチックに推している武将も関東戦国史には多い!
千葉県内で大河を口にする館山市と大多喜町。里見と本多忠勝で共闘は不可能。しかし里見義堯ならば、正木時茂の大多喜(旧小田喜)との連携も絶対条件でタッグが組める。
八犬伝推しも、伏姫のモデル種姫(里見義堯娘・正木信茂妻)が必ず登場する。素敵な若い女優さんが期待できる。
ラブロマンスも、青岳尼事件から描ける。
王道戦国も、無双な武者も、高僧も、ラブストーリーも、滅亡秘話も、時代のドラマチックさも、全部盛り込めるのだよ。

久留里の企画展からそれを感じ取れるのなら、
こんなに嬉しいことはない。

なんとか捻出して、27日(日)の久留里城まつりに行こうと思う!

「里見太平記(旧題「春の國」・房州日日新聞連載作品)」より抜粋
 

「申し上げます」
 正木時茂が図面を拡げながら、義堯をみた。
「なにか策でも?」
「は」
 北条という共通の敵を持ちながら、上杉との共闘のない無策を、時茂は諌言した。痛いところだと、義堯は呟いた。確かに、上杉との盟約もないまま、腹を探りながらの駆け引きは、無策以外の何物でもない。さりとて上杉は戦さ下手でも知られている。殊、野戦においては数を頼むより術を知らないといってもよい。
「誰かと通じよと申すか?」
「長野信濃守」
「なんと?」
 義堯は頷いた。上杉陣営にあって戦さ上手で知られる上野国箕輪城の長野信濃守業政。かつてこの者の父・伊予守憲業の娘を正室に迎えていたことがある。業政は、その兄だ。正室は早くに亡く、義堯はすっかり長野氏とは疎遠であった。
「亡き正妻様の御子・文悟丸様を、長野家に養子として差し出すというのは如何か」
「養子じゃと?」
「文悟丸様は一四歳になりました。元服も適います」
「これを質に、盟約を結ぶのか?」
「血統は長野家にて、養子といえども叔父甥の間柄。疎かにされることはございますまい。これにて、両家は結びつくと思われます」
「易くいうものよ」
「長野信濃守が北条を睨んで当家をどう見ているものか、腹が探れるだけでも収穫。しくじっても無駄に非ずや」
 上杉家に伝手はないが、長野家を介せば、間接的に共闘が適う。確かにこのことは無益な話ではない。
 委細を任された正木時茂は、岡本兵部少輔を伴い上野国に発った。上州榛名東麓の箕輪城は、西上野の要である。軍略に長ける長野信濃守業政は、正木時茂の申し出に
「さっそくに」
と即答した。有為か無為か、先々を見越す慧眼で同意したのである。こののち、文悟丸は業政の実子同様に薫陶され、のちに石井家の家督を継いで重臣列に遇された。文悟丸、元服して義樹を名乗る。のちの石井讃岐守信房である。

この部分が、「箕輪の剣」の冒頭とリンクする。夢酔ワールドの派生でござる。

なにはともあれ。

10月は神がおらずとも
「里見がおるわ!」
と、声高らかに叫びたい。