「真潮の河」第二部終了、そして最終章へ
房州日日新聞連載作品「真潮の河」。
大勢の皆様から、あれはイイネとお声をいただき感謝でございます。
イイネすぎて、「ああいうの書けるのに、手抜きしないで」と、槇の原稿書き換えになったりという弊害もありますが、いい意味で高く買い被っていただけることは作家冥利に尽きます。
連載323回にして、三部構成の二部が終わります。
ついに最終章へ突入します。
ここからは、史実の出来事と噛み合った物語が展開していく。繫栄と崩壊そして再生と次世代への希望。ひょっとしたら、これは現代の風刺かともとれる切り取りかたかも知れない。
元禄繚乱はバブルを彷彿させ、ともにバブル崩壊の混乱を迎えて、都市災害の最たる大震災の悲劇。津波はいつの世も、何もかも洗い流してしまう。まだ共有していないものは、せいぜい富士噴火くらいだろうか。それさえも常に警戒の対象とされる現代社会。
それでも、人は荒廃から復興し、再生して、ふりだしから歩き出していくのだ。
現代日本は、どうだろう。
その逞しさを学ぶ必要があるだろう。
醍醐新兵衛の作り出した組織は、明治まで連綿と続き、その意思は一族を超えて世紀を経て、今日の日本捕鯨を支える。文化も異なる海外の批判は、聞く耳のないNO前提の文句。理解を求めても、徒労に過ぎぬ。日本人が支持しなければいけない食文化のひとつです。
菱川師宣の描いた傑作「見返り美人」は、2025年大河ドラマでも描かれる浮世絵文化の元祖となる偉業。この絵画文化は、やがて世界をも魅了していくことを、我々は誇りに思いたい。
房総に生まれた同じ時代の両名に、血潮の通う交流があったという史実の足跡はなく、これは創作に過ぎない。しかし説得力のある男の友情の根底にあるものは、男の仕事という信念と、ふるさとという根っこだろう。
喪が明ける頃にでも、ファンミーティングしたいけど……どうですかね、房日新聞さん!