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真潮の河

昨日の緊急告知は、お時間の関係でご覧になっていない方が沢山おられたご様子。ここで解禁します。

じゃじゃーん。

2023.10.15房州日日新聞より

これまでクジラネタにも触れて参りました。
「これのためだったのか……」
解禁できない宣伝のようなものでした。


舞台は、現在の千葉県鋸南町勝山
と、隣の鋸南町保田

醍醐新兵衛と菱川師宣のW主演。
あまり関心の持たれない時代になりますが、徳川幕府創業期から元禄バブル崩壊の頃までの世。里見の去ったあとの安房、主だった水軍はヘッドハンティングされ残された漁民となった人々。水軍調練に用いた捕鯨を産業に志した醍醐の人々。江戸湾捕鯨初代・醍醐新兵衛の一代創業ではなく、その積み上げた土台から描く。新兵衛が組織した捕鯨集団は、海という無間のネットワークで紀州ともつながり成長していく。当時の食と文化と生活に欠かせない資源、クジラ。そのクジラと勝山の人々、因縁の存在となる魔性の鯨・黒龍との対決。
醍醐新兵衛とほぼ同年代の生まれが、浮世絵の元祖・菱川師宣。
二人は諍い、認め合い、少年から大人へと成長していく。狭い安房から旅立つ二人の世界は、徳川の世に無視の出来ぬ存在へと大成していく。
偃武により戦さを忘れたサムライ。
その時代を振り回すものは、大火、そして震災。
物語のクライマックスは元禄大地震と宝永富士噴火。現代社会にも重なる混乱と被災と、どん底から這い上がる人間の力。
この物語は、里見正史を描いたその後の世界という観点を用いた、おそらく夢酔だけの手法と楽しんでいただきたい。

連載は明日。
2023年10月17日(火)房州日日新聞は有料電子版も発行されている。


真潮

大きな潮流、とくに黒潮をいう。
太平洋の肥沃で温暖な海流を指す意味の作品タイトル。クジラも、富も、そして厄災も、海はすべてを与え奪っていく。それを印象とする壮大なお題をみつけられたと、我ながら
「してやったり!」
と思う。

房総旅行や観光などで、ご縁がございましたら、どうぞご覧下さい。
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