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田沼意次

歴史は勝者が紡ぐ。
結果的に敗れる立場になった存在の栄達は一転、誹謗中傷に塗り替えられて真実と程遠いものとなる。

田沼意次ほど政治手腕を評価されない不遇な存在はないと思う。

賄賂だ裏金だと騒がれている、昨今の政府を支配している輩と比較するのも烏滸がましい。口を開けば増税だの、マイナンバーカードだの、社会全体の声が耳に入っていない政治家もいる。
彼らと田沼を一緒に考えたら、哀れである。

田沼の功績は多い。
陽の目を見ぬ実績も多い。
ロシア対策も、田沼は正面から取り組んだ。あるいは田沼の時代に、日露国交が成立したかもしれない。その後の疑心暗鬼による、日露のすれ違いもなかったかも知れない。すべて憶測だ。しかし、スタートラインは早かったはずと思う。
ペリーよりも100年近く早い、対外国交の可能性はあったのだ。

田沼時代と、池波正太郎作品「剣客商売」は同じ時代。
秋山先生、ロシアの剣客とも刃を交えたかもしれませんなあ。