「千人同心がゆく」Last one episode
令和改元とともに始まった西多摩新聞連載作品「千人同心がゆく」。
形式的なFINALepisodeが3月22日号から始まる。
思えばこの作品には、些かの思い入れがあった。
企画そのものは「聖女の道標」より早かった。千人同心の取材中に萩原タケの存在を知り、脳内変換で感情移入、準備プロットをわずか24時間で作り、準備稿も早かった。そこからの取材肉付けが鬼のようで、西多摩新聞社に連載確約を得てから更に詰め込んだ。週に1~2回は日本赤十字社本社1階にある情報プラザに入り浸っていた気がする。連載期間は、当時の西多摩新聞紙上最長となる2年半。後半は打ち切りだったので、再構成で泣きそうになった。
この作品があり、「千人同心」の企画や書き溜めは一旦、お蔵入りになった。
秋川流域の新聞折込タウン誌「あおぞら」のエッセイで、千人同心を扱うことはあったが、それはお蔵入りの二次利用。大河ドラマにもなった新選組に比べて千人同心のなんと地味なことか……少なからず思っていた。
そんなコンプレックスが、いよいよお蔵入りから塩漬け状態を余儀なくしていた。
……しかし。
井上源三郎資料館へ出入りし勉強させて頂いた縁で、新選組の井上源三郎と
千人同心・石坂弥次右衛門組頭の井上松五郎が兄弟であることを知ってから、色々と相関上の整理が出来た。
別物のように考えるから、勝手に自分で棲み分けをしていたのだ、と。
井上源三郎資料館HPに作品を載せていただいたことで、双方が共存する世界観があることに脳内組み立てすることが出来た気がする
作品「泰助の記」は、千人同心の父・井上松五郎と叔父・源三郎に薫陶され、近藤勇の刀持ちとして新選組に入隊した少年・井上泰助の物語。
今も昔も、井上さん一家には感謝しかありません。
ここから、千人同心の再評価をはじめて、新たなエピソードを拾い綴り、溜めていった。
コロナ禍の令和改元と同時にスタートした西多摩新聞連載作品「千人同心がゆく」。単行本上巻に加え、オールカラーガイド本も刊行。足で歩いた千人同心街道の旅。千人同心をもっと知って欲しいという願いのガイド本です。
西多摩新聞出版はAmazonで購入できません。
HPからお求めください。
令和6年、千人同心のあたらしいチャレンジ。
FINALepisodeの先に待つ、次のステップをお楽しみ下さい。
単行本を上梓したことで、八王子千人同心旧交会事務局の宗格院さまのお目に留まり、資料の提供など大きな尽力を賜れたことが、作品後半の厚みを持たせることが出来た。
この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。
西多摩新聞連載作品目録 〇は単行本上巻に収録された作品
千人同心の理(2019年7月12日)
〇剣の虜(2019年7月19日~9月27日)
〇長崎幻想絵巻(2019年10月4日~11月15日)
大奥の底(2019年11月22日~1月17日)
道場の喜怒哀楽(2020年1月24日~2月28日)
身を知る雨(2020年3月6日~3月20日)
〇武州一揆(2020年3月27日~7月3日)
〇バラガキ(2020年7月10日~12月4日)
柳、そよぐ(2020年12月11日~12月18日)
〇二百年来の声韻(2021年1月1・8日合併~2月19日)
緑のさざ波(2021年2月26日~5月14日)
〇天狗の影(2021年5月21日~7月23・30日合併)
戸吹の苦悩(2021年8月6日~9月10日)
桑都の剣(2021年9月17日~10月15日)
美賀保丸(2021年10月22日~12月10日)
世界(2021年12月17日~2022年1月14日)
百姓の国学(2022年1月21日~2月4日)
異人の回顧(2022年2月11日~3月25日)
剣客(2022年4月1日~8月26日)
※井上源三郎資料館HP掲載(題「もののふの剣」)改稿
剣の碑(2022年9月2日~9月9日)
※插絵画家の会刊行「文人墨客第三号(平成30年)」掲載
封建社会(2022年9月16日~10月21日)
桑都日記(2022年10月28日~2023年1月1・6日合併)
世間様に背を向けて(2023年1月13日~3月24日)
ぼくの日光勤番(2023年3月31日~10月6日)
血梅(ちばい)(2023年10月13日~11月10日)
海(2023年11月17日)
どうする長州征伐
(2023年11月24日~2024年3月15日)
千人隊事件(2024年3月22日start)