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《黒く塗りつぶせ》嵯峨野小倉山荘色紙和歌異聞~九十九の歌~

《黒く塗りつぶせ》原作:後鳥羽院
あなたはんの事は愛おしくも恨めしい。
あなたはんにとってウチは結局どないな女なん?
ほんまならウチは思い通りに生きられるはず。
せやのに、せやのに、なんでこんなにせせこましく生きなあかんの?
――誰かがじゃましてる?―-
あなたはんはウチの事見殺しにしてる……。

<承前九十八の歌>
ゆっくりと定家は愛液を湧きあげる式子の泉に己が猛りの逸物をあてがった。式子の泉が悦びに震え、ねっとりと定家の陽根に吸い付く。口づけを交すと定家は誘われるまま式子の身体を貫いた。
「おォ……」
絡みつき、締め付け、悶える式子の膣に定家は思わず呻く。定家の律動に合わせ、式子の腰が蠢く。式子は定家に激しく接吻を迫った。恍惚が二人を襲う。
……人を惜し 人も恨めし 味気なく世を思ふゆゑに もの思ふ身は……
「此の世にこれほど愛おしいお方がおられようか」
頂上が迫っていた。
<後続百の歌>

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