本気の大人の、最高な遊び|焼きそばうえだ(さくらももこ)
こんなにぶっとんでいて、バカバカしい話がほんとうにあるなんて。
昼寝をしているさくらさんの夢が現実になったような浮遊感が終始漂っている。
「焼きそばうえだ」はさくらさんの友人である(愛すべき)さえない植田さんが、さくらさん達にそそのかされて(?)バリで焼きそば屋を開くことになるという話だ。
それだけである。
さくらさんの仲のいい友人たちからなる「男子の会」メンバーの飲みの席で焼きそば屋の話が盛り上がり、本人そっちのけで開店の話が進んでいく。
それぞれの仕事では一角の人物である男子の会のメンバーが夜な夜な集まり、くだらないことだけを語り合う時間。
最低限の配慮はありながらも、遠慮の無い関係性は最高に心地良いだろう。
バリで焼きそば屋を開店するという、この上なくバカバカしいことを大人がゆるゆる進めていくのが最高だ。
真剣さが良い意味で欠如しており、
これくらいの気持ちで生きていけたらな...と思う。
大人になってもまだまだ青春できんじゃん!そう思わせてくれる。
大人のパワーと、知力と、財力を駆使した遊び。
最高にくだらなくて、最高に笑えるエッセイ。