【読書記録#13】ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』

帯の「読まないまま終わる人生もあったと思うと怖いってぐらい凄かった。」という文字に惹かれて買った。

作品名は有名すぎるほど有名。「たしかドラマ化とかしてなかったけー」などと軽い気持ちのまま読み始める。

「読みづらい。」

これが最初の感想。
全てひらがなの上に、誤字脱字が沢山、句読点もめちゃくちゃ。
それもそのはず、この物語は知的障害のある青年チャーリイの日記(経過報告)という形式をとっている。
そのチャーリイが知能を上げる脳手術をうけたことで、驚異的なスピードで知能指数があがり、いわゆる天才と言われるまでになる。
その変化の過程が文章の変化という形で表れる様が非常に面白い。
漢字が増え、文章の誤字脱字がなくなり、適切な句読点が打たれ、文章が洗練され、更にはより高度な概念を語るようになり…

しかし、ただ天才になりました。では終わらない。
急激な知能上昇に追いつかない精神、そして自らが受けた脳手術についてチャーリイ自身が解明した衝撃的な結末。

数奇な運命を辿ることとなったチャーリイ自身が出した身の処し方とは…

ちなみにアルジャーノンはネズミです。

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