【読書記録#36】ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』

ついにこれを読む時が来た。
初めて知ったのは中学生の頃だったか。タイトルのカッコよさに単純に惹かれた覚えがある。
長年この本のことは忘れていたが、昨年12月八重洲ブックセンターで平積みの「百年の孤独」を見つけた。
遂に文庫化されたのだ。
世界的名著ながら文庫化されない不思議から、文庫化されたら世界が滅びるとまで言われた本が。

ウキウキしながら本を開くが、最初から少し心を折られる。
淡々と物語が進むが、時たま人智を超えた超常現象がさも当たり前かのように物語に入り込んでくる。理解ができない。これはなんだ?
(マジック・リアリズムという技法らしい。)

そして何より人物名がみんな似通い過ぎている。

本書は「マコンド」という架空の村の始まりから栄華、退廃、そして村の消滅までの100年の物語を描いている。

まず村の創始者がホセ・アルカディオ・ブエンディア、その息子がホセ・アルカディオとアウレリャノ・ブエンディア。
ホセ・アルカディオにはアルカディオという息子、そしてアウレリャノ・ブエンディアにはアウレリャノという名付けられた17人の息子、その後も同じような名前が続く。

挫折して途中で読むのをやめてしまうという人もいるのが頷ける。

もうほとんど意地で読みきった。
あの百年の孤独を読んだ。その事実がとても嬉しかった。完全なる自己満足。

多くの人物が登場するがタイトルにあるように、皆が皆「孤独」。外界との断絶、他者への無関心、愛なき関わり。
ひっそりと出現し、風に飲まれて消えていく村。
神話的な世界を通して、人間とは何か?を語りかけられる。そう感じた。

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