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看護師の自分を振り返ってみた②昔と今がつながってきた話

前回は新人の頃の話を綴ってみた。
頭の引き出しから、懐かしい患者さんの記憶を引っ張って紐解いていくと、あの頃の初々しい気持ちを思い出した。
今日は一般的に基礎教育が終わる3年目までの話。

新人さんいらっしゃい

3年目になると新人指導も役割のひとつで、
もれなく私にもその役割を担うことに。
プリセプター制度といって、自分担当の新人さんに指導するという制度。


家族や親戚の構成上、末っ子気質な私。
親身に優しく教えてあげるたり、気にかけてこまめに声をかけてあげるとか、なかなかできないタイプ。
自分の中で、意識していたのは理不尽な指導はしないこと。

今でもその時の担当の後輩とは繋がりを持てているけど、グッと距離が近くなったのは、2年くらい経ってから。
「今なら言えるけど、1年目のときはめっちゃ怖かったです」って言われた。

ごめんよ。
意地悪したいわけじゃないのよ。
ほんまは気軽に話せる優しい先輩したかったけど、なんか自然にできない。
ちゃんと根拠を押さえて、指導しないと!って意気込んで、自分本意な感じだったんだろうな〜。

人に教えるとか、伝えるって難しい。


ちなみに最近では、離職率を下げたいという病院の方針が全面に出ているようで、
何でこうしたの?
そう考える根拠は?
とかの質問攻めはタブー。

メリハリは大事だし、
意地悪とか理不尽はあかんけど、
目先のことを優先して肝心なことが伝わらない気がして、
モヤモヤ。
この辺は賛否両論あるだろうけど、
自分の時間を使って指導している中堅の子たちをもっと大切にしてほしいなぁって思います。

看護師の役割を少しは果たせたのかな

3年目の時に末期がんの患者さんを受け持った。
痛みはさほど辛そうではなかったものの、
お腹に腹水が溜まって、全身倦怠感もあり、むくんだ足で歩くのも一苦労。

とても、口数の少ない患者さんだったけど、家に帰りたいと思っていることを家族を通して知った。

家族の協力があれば家に帰れるかもと思った私は、主治医に、「○○さん、在宅に帰りたいって思っているらしい」と相談をした。
すると、一気に話が進んで在宅に帰ろうという話になった。
主治医としても、家に帰れる最期のタイミングだと思ったんだと思う。

・家族の協力体制を確認
・家族にしてもらう清潔ケアの練習
・介護ベッドなど在宅の環境整備
・腹水のコントロールのこと
・退院後の在宅医や訪問看護との調整

ある程度の準備が整った。
まずは外泊をして、いけそうならそのまま退院する方向になった。
結局、その外泊の間に状態が悪くなり、結果的には自宅で家族に看取られて永眠された。

自分の暮らしを整えてきたことで見えたこと

病気を持ちながら、家に帰った人の生活が気になって、サポートできたらいいな。

いつからか、そんな風にふわっと思っていた。
ここ2年くらい仕事のウェイトを減らして、自分の暮らしや思考を考える時間が多くなったことで、そんな思いがより強くなった気がする。
暮らしを整えることは、身体にも心にもメリットがあることを実感しているからかもしれない。

来春からは訪問看護で働けるように、年明けからは本格的に就活をする予定。
いつか訪問看護したいって思っていたのは、
この時の経験が土台になってるなぁって改めて気付けた。

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