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小2同士の待ち合わせの約束に、ことごとく振り回される休日

もうこれで何度目だろう。
子ども同士で交わした待ち合わせの約束に、相手が現れなかったのは。

まだ小2。休日の家族の予定や習いごとの振替の有無など、知らぬ存ぜぬの子がほとんどだ。律儀に約束を守るため奮闘する子のほうがこわい。そんなことはわかっている。わかっているけど、こう何度も待ち合わせ失敗が続くと、誰にというわけではないが、こっちがイライラしてくる。

木曜日。娘が友だちと遊ぶ約束をして帰ってきた。
いつメンではない、初めて聞く名前の女の子。
日曜日に公園で待ち合わせをして、家から3分ほどの児童館的な施設にいくとのこと。
いくら非常識なわたしでも、これが家の行き来であれば自分の連絡先をかいた手紙を相手の親御さんに渡るようにと子どもに持たせただろう。

でも、今回は必要ないと判断した。
なぜなら今回は、「2人でつくったー☆」という彩られたしおりを見せてくれた。ほほう。待ち合わせの必須ポイントはバッチリ抑えられているではないか。ここで親がしゃしゃりでるのもどうだろうと思ったのだ。

娘は相当楽しみだったらしく、来たる日曜日のために、公文の宿題のすべてを終わらせ、相手とほお張ることを想像しながら選んだであろうおやつを買い、厳選して服をえらんだ。
当日は、いつもより1時間早く起きて、身だしなみを整えた。水筒の麦茶を自分でそそぎ、まさかの7時間前から準備万端。たかが近所の施設にいくために、精一杯おしゃれをしている娘の存在を 、”かわいい” と思った。それは夫も同じだったらしい。
なので、もともとの家族の予定をずらした。

が、わたしは密かに 『会えないかも』 と思っていた。今まで、まともに合流できたほうが少ない。
そのたびに落ち込んでいた娘。それなのに凝りもせず、真っ直ぐに約束をしてくるのが子どもだ。もしかすると、大人が心配するほどショックなことではないのかもしれない。

結果、やっぱり相手はこなかった。
待ち合わせ場所までついて行った夫は、娘以上にショックをうけていた。夜、出先から『すっぽかされた娘をフォローしてほしい』と、LINEまでよこしてきたくらいだ。『すっぽかされた』と決めつけている時点で、もうまわりが見えなくなっている。
いつも日曜日はべったり一緒だった娘が、いずれ来る、【自分の手から離れていく第一歩】を踏み出したことを感じ取り、うれしいやら淋しいやらで、ずっとソワソワしていた夫。
結婚前は破天荒すぎてドン引きすることも多かったが、 今では ”女の子をもつ女心がわからない父” のレールにしっかりと乗っかっていて、見てておもろい。娘がしょーもない男にポイ捨てでもされたら、復讐に燃える勢いだ。

結局、夫と近所の施設に行き帰ってきた娘は、しょんぼりはしていないが、一応イラついていた。
そりゃイラつくよ。でもあちらさんも、なにか用事があったのかもな。今日は特別にお風呂でコーラ飲んじゃいますか!と、提案してみた。
しかし、「いや、銭湯いきたい。」と却下されたので、仰せのとおりにした。

銭湯は日曜日なのに空いていて、汗もイヤなこともきれいさっぱりながせた。「いいお湯でしたっ♡」なんて、女子っぽく外に出た。

そしたら大雨が降ってきた。どしゃぶりレベル。
とうとう娘がヤケになりはじめた。たぶんだけど、君、厄日だね。まあ、こんな日もあるよ。大人になったらこんな日の連続なうえ、身体にもガタがきて地獄だぞ。

こうしてわたしの1ミリたりともゆっくりできなかった休日がおわった。


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