既設と同じ装置って言ったやんか!!って話
「既に稼働しているある装置があって、同じものをもう一台入れたいんだ」こういう話があったときに、設計費をどの程度みるかという問題。
「既設と同じだから全部図面あるんだろうし、なんぼもかからんでしょ」みたいな判断ですぱっとやっすい見積もりが出ちゃうことがあります。結構あります。
ほとんどの場合これは死亡フラグ。まったく同じもので済む、なんてことはまずありません。大なり小なりなにかが変わってて、そこでハマります。あるあるです。
ワークサイズが違う
のっけからなんでやって話ですが、地味にあります。こういうの。
客「これと同じ装置くれや」
営「ええで」
これで終わって何も詰めない。実はワークサイズでっかかったです。こういうのがほんとあるんですよ。ワークサイズ2倍だから寸法2倍でつくればいいでしょって話にはなりませんよね。強度不足です。
最初によく確認しましょう。
「図面?残ってないよ」
これも結構あります。既設といっても製造年が昭和じゃないかってやつとか、実はあるんだけど開かずの間にしまわれたまま忘れ去られているとか。
最初によく確認しましょう。
使われている部品が生産終了している
互換性のあるなしを確認してまわるだけでも結構な手間になりますし、代替品ないっすね、となるともう地獄。基幹部品や制御機器が終了品だとハードソフト両面で根本から変わってしまいかねません。
最初によく確認しましょう。
制御機器が使い慣れていないメーカーだった
対応しているソフトやメンテナンスツールを購入し、使い方を一から学習しなければなりません。PLCが海外製でしたとかだともう目もあてられない。
なにも全く同じものにする必要はない、入手性のよいものに置き換えようとなれば、それはそれで最初から設計するのと本質的に変わりません。
最初によく確認しましょう。
ソフトが解読できない
SET/RST命令がバラバラに無茶苦茶使われていたりインデックスレジスタで飛ばしまくっているのにデバイス表がないなど、地雷原のようなソフトだったら地獄です。
最初によく確認したいですがこれは難しいかもしれません。解読する時間もコストに跳ね返りますし。
えらい人「コストダウンしろ」
図面もある、購入品も現行品で使い慣れたものばかり、楽勝だぜ!ってなったときにこういうことを言ってくる人がいます。
同じものを頼まれているのになんでスペックを落とす必要があるのか。こうしてボルト一本減らすために設計費がかさみ、客先になんで変えたんと怒られるのでした。めでたしめでたし。
えらい人は「俺がより良くしたんだ」と満足気。敵は身内にあり。
えらい人「こうしたら良くなるんじゃないか」
図面もある、購入品も現行品で使い慣れたものばかり、楽勝だぜ!ってなったときにこういうことを言ってくる人がいます。
同じものを頼まれているのになんで構造を変える必要があるのか。こうして余計な設計変更のために費用をかけ、客先になんで変えたんと怒られるのでした。めでたしめでたし。
えらい人は「俺がより良くしたんだ」と満足気。敵は身内にあり。
既設と同じ、実績があるから、という油断
既設と同じだからって安心感が確認漏れを引きおこしたり、なんか変えたがるえらい人の功名心をむくむく育てるのでしょうか。厄介です。
慣れた作業にこそ危険が潜んでいるって話に通ずるものがあるのかもしれません。
実績ある装置のリピートでも、ほどよい緊張感をもって功にはやることなく粛々とこなして順当に利益につなげたいものですね。
それでは。
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