機械製造におけるコスト削減とは何なのだろうって話
「1円でも安く、常にこの意識をもて」
設計製造に携わっていてもそうでなくても、社会に出た方は誰もが一度はこういったありがたいお話を聞いたことがあるのではないでしょうか。
単価100円、年間xx万個を販売する商品の原価はいくらいくら、材料費はいくらいくらですので1円のコスト削減でこんぐらいの利益向上が見込めます。という考え方。
なるほど1円の効果は大きい。たかが1円されど1円。時間をとってじっくり考えてみようじゃないか。となります。健全なものづくりのあるべき姿のひとつといえるでしょう。
コスト削減あるある〜実際の現場では〜
ところが。
原価で数千万円もする、年間数台出るかどうかの装置モノに対してまで1円でも安くの精神が持ち込まれることが割とよくあります。
何かを思いついたらしい偉い人は、突如みんなを集め会議を開き、見てきたわけでもないのにこう口にするのです。
「いいか、車の工場はな…(n回目)」
おいおいちょっと待ちんしゃいと。
数千万のうち1円くらい安くなったって屁のつっぱりにもなりませんよ貴方はいまここに何人集めて何分しゃべりました正味時給700円換算(←ツッコミ禁止)でいくらいくらのコストが発生しました1円ぽっちのコスト削減で返しきるのに何年かかると思ってんすかねおおん???
などと言ってしまおうものなら試合終了。次元のはざまに飛ばされてキングベヒーモスの糞にでもされるのがオチです。
かくして我々は、宝くじの当選率みたいなコスト削減のために貴重な時間を割いてやってる感を出して対応していかなければならないわけです。
さて、そうやってボルトの数をいくつか減らしてみたところで全体のコストはどうなっているか。
想像に難くありませんよね。
やるからにはモノにしたい!
とはいえ腐っていてもしかたありません。せっかくやるならモノにしようじゃないかというのが真のナイトというもの。良いアプローチはないものかと考えてしまいます。
さて、どうしたものか。
…
こういう時の思考法は細分化だと昔から相場が決まっています。そう、決まっているのです。
大きな目標を達するためにはまずは小さな目標から、との古からの言い伝えに従ってみようじゃありませんか。
いきなり気合を入れてれんぞくまを習得しようと決意しても、肝心の魔法がファイアぐらいしか使えないのなら役に立たないのです。
装置全体で見ることを一旦やめ、ある程度のパーツ単位にわけて考えてみようそうしよう。
組立完成図を眺めてウンウン唸っているよりはまだ何か出てきそうな気がする。
お、ここをこうすればコスト削減効果が10円、20円、40円…
5120円、10240円、
あ、なんかでてきた。ギルガメ?
…
やっぱり、社会人たるものかくれるを先に習得すべきなのかなぁ…
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