つねさん (お題 逢いたい菜)
(412文字)
「うふふふ」
「あ、つねさん布団投げないでね」私はつねさんの手をそっと抑えた。
「あの女はね、投げた」
「あらら?」
「男をね、ぽい」 つねさんはにっと笑う。
「羨ましい」
「ん?」つねさんが急に真顔になった。「ん?」
「恋してるのか」
「分かります?」
「あれか、野呂か」
「わ、もう寝ましょ」私は部屋を出た。
上司の野呂に最後の下りは省いて、夜勤の報告をした。
側ではうふふと、つねさんが四つん這いで遊んでる。
「さ、朝ご飯食べよ」
「嫌だよ。何だよこの葉っぱ」
「なんでしょ。小松菜?」
「どーみても違うべ」野呂先輩が去り際に言う。
「ナズナ、スズナ?」と、つねさんが嬉しそうに重ねた。
「お、さすがですね。京菜うーむ。違うか」
言って振り向くとつねさんの顔が迫っていた。
「逢いたい菜か。」
そんなつねさんが好き。
参加させて頂きます。
たらはかにさま
企画ありがとうございます!
よろしくお願いしますm(_ _)m
#逢いたい菜 #毎週ショートショートnote