変遷

あの塔が突き刺さっているので
灰色の空が今にも泣き出しそうだ

こんな雲の厚い日は
秋の葉が色を放つ

花水木の葉
コスモスの花びら
土は湿り気を帯び
柔らかな香り

現在を捉えることができなくなる
どこにいるのか
だれなのか

空が痛がっている
あの塔が自分だろうか
痛いのが自分だろうか

どちらでもあり
飲み込むには大きすぎる景色を
飲み込もうとし続ける

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