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技術革命 (お題:武器屋の餌付け ショートショート)


 (453文字)
 叔父さんは最強の武器を持っている。
 よそ者が一族の土地にやって来た時も、この秘密兵器で一発だった。
 問題はその武器が非常に不安定なことだ。

 その叔父さんがこっちを見て盛んに木っ端を振り回している。
 なんだってんだよ。俺は足元にあった小枝を蹴飛ばした。
 叔父さんは小枝に反応して更に興奮した。

 ん?俺は小枝を持ち上げてみた。
 叔父さんはケツを振った。あれは武器の合図だ。敵か!?

 小枝を叔父さんに渡すと、叔父さんは神妙な顔をして木っ端に小枝を擦り付け始めた。
 息が上がり、だらだらと汗をかき始めた頃に煙が立ち、とうとう火が付いた。

 人類が火を手にした瞬間であった。

 俺たちは興奮した。顔を見合わす。
 山火事で芋が焼けて、美味しくなったのを思い出し俺は芋を探した。
 叔父さんは焼けた芋を食べて不適の笑みを浮かべた。

 今や、叔父さんの武器はいつでも準備オッケー。
 武器屋の餌付けは重要だ。
 
 


参加させて頂きます!
たらはかにさま
いつもありがとうございます。

#毎週ショートショートnote #月夜の寝ぐせ #武器屋の餌付け


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