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禁じられた仕事(ショートショート お題:書庫冷凍)
(540文字)
「ママ、こちらフランソワ。婚約者よ。」
繭が毛皮のコートを細い肩から滑らせる。
フランソワはハッシとそれを両手で受け止めた。
芳恵はそれを無表情に眺めている。
フランソワは焦った。
「フェークファーらよ!」
「フランソワ、気にしないで。ママは笑えないの。皺になっちゃうからね!ほほほ。」
芳恵はふん、と鼻を鳴らす。
「何これ、どこで拾ったのよ。なに訛り?」
フランソワがへへ、と笑う。どこまで理解しているんだかよく分からない。
「繭訛り。日本語教えてるとき《ら抜きの殺意》読んでてさ。なんでも"ら"入れて喋ってたらこんなんなっちゃった。」
「まぁどうでもいいわ。盗聴されていないわよ。さっき上層部から連絡があってね。恋人も母子も解消。解散。」
「なぜ?僕ら婚約者でしょう。」
「あたしは違うわよ。」芳恵が言う。
「いや、ら抜きで聞いてあげて。あのね秘密工作はポシャったんだって。」
「どうしてもだめら?」
「だめら。」
言われてフランソワがシュンとする。
「めんどくさい。結婚しちまいなさいよ」 するとフランソワは隠し持っていたチョコを見せ満面の笑みで聞いた。
「ママさん、冷凍庫どこ?」
芳恵がキッチンを指さす。
フランソワは「しょこら冷凍に限るね」と言いながらウキウキと部屋を出た。
参加させて頂きます
たらはかにさま
いつもありがとうございます!
文字オーバーですみません🥲
今回の話は、凡筆堂さまの名作の影響を受けているように思います。
その割に出来が…なので申し訳ないやらお恥ずかしいやらですが、記事を貼らせて頂きます。
凡筆堂さま、ありがとうございます🙇