国立西洋美術館 自分的トップ5作品
国立西洋美術館の概要
上野公園にある国立西洋美術館は、フランスやスイスなど7ヵ国の17資産を含む世界遺産(トランスバウンダリー・サイト)「ル・コルビュジエの建築作品:近代建築運動への顕著な貢献」の構成資産です。
第二次世界大戦後、松方幸次郎が収集した「松方コレクション」を展示するために築かれた本館には、「無限成長美術館」という新たな概念や「ピロティ」、「モデュロール」など、建築家ル・コルビュジエの特徴がよく表れています。
※ピロティ…柱で床を支えることで、地上階に吹き抜けの空間をつくったもの。
※モデュロール…建築の寸法を決める際に人体のサイズを基準としたルール。
参考
NPO法人世界遺産アカデミー『はじめて学ぶ 世界遺産50 世界遺産検定4級公式テキスト』(マイナビ出版,2023)
本記事では、国立西洋美術館の所蔵作品のうち、私自身が好きな作品を5つ取り上げます。
なお、『国立西洋美術館名作選』 (2023)に収録されている作品を対象としています。本記事中の説明文も当書籍を参考にしています。
https://www.nmwatokyo-shop.org/view/item/000000000255?category_page_id=all_items
①ヒリス・ファン・コーニンクスロー《「パリスの審判」が表された山岳風景》
フランドル
16世紀末-17世紀初頭
油彩/板
127×185cm
左手の木々の茂りでは、古代の神々の美人コンテストが繰り広げられ、羊飼いの姿をしたトロイの王子パリスが、勝者の美の女神ヴィーナスに黄金の林檎を差し出しています。
右手には、山や川、城など、奥行きのある長閑な眺望が描かれています。
②カルロ・ドルチ《悲しみの聖母》
イタリア
1655年頃
油彩/カンヴァス
82.5×67cm
https://www.nmwa.go.jp/jp/collection/1998-0002.html
暗い背景に淡い光背に包まれて、深みのある青のマントを身にまとった聖母マリアの美しい表情が印象的。
③ジョゼフ・ヴェルネ《夏の夕べ、イタリア風景》
フランス
1773年
油彩/カンヴァス
89×133cm
https://collection.nmwa.go.jp/P.1988-0002.html
前方には、長い夏の日の終わりに川辺で水浴をする女性たちが描かれています。遠方には、イタリアの実景と考えられる街並みが描かれています。
夕暮れの都市と川辺が美しい作品です。
④ポール・シニャック《サン=トロペの港》
作者のシニャックは、新印象派の体系的な手法が「最大限の輝きと彩りと調和」に達するための手段であると主張しました。しかし彼は、あまりに細密な点描技法はむしろ鈍い印象を生むと感じ始め、1890年代後半から、この作品に見られるようなモザイク状の大きな四角い筆触を用いています。
⑤アンリ=ジャン=ギヨーム・マルタン《花と泉水》
フランス
油彩/カンヴァス
82×130.5cm
色彩豊かな花々が全体に描かれていますが、中央部の池の水と、そこに写る青空とのコントラストが上品な印象を与えてくれます。
おわりに
国立西洋美術館では、他にも様々な素敵な作品を鑑賞することができます。本記事では絵画作品のみを取り上げましたが、彫刻作品もたくさん展示されています。また、美術館の建物自体が立派な建築作品でもあります。
これからも、折に触れて来館したいと思います。
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