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彼女の不思議な体験

僕の彼女には霊的な力がある。
霊的なものがみえるのはもちろん、人の死相がみえたりする。
昔、中学校の入学式で新たな担任の先生をみたときに直感でこの人とは卒業まで一緒にいることはないと感じたそうだ。するとその先生は若くして病気で亡くなられた。
僕は彼女に出会うまでこの手の話は全く信じていなったが、彼女と出会って今では科学では説明できない現象を信じるようになった。
その話の中の一つを今回、短編小説スタイルで紹介させてもらう。

その日の昼間、私は友達3人で特に目的もなくドライブをしていた。
地元から離れた土地勘のないちょっとした山道を走っているとき、何かに自分が呼ばれているような気がした。そのような感覚が初めてではなかったのでスマホで周囲の施設を調べると近くに古い神社がある。
その神社が妙に気になった私は友達には行ってみたいところがあることだけを伝え神社に向かった。友達には自分の霊的な経験は受け入れてもらうことができないと思い話をしたことがなかった。
神社に到着すると、そこは山奥にポツンとある神社で規模は小さく周りに人の気配はないが手入れは行き届いており荒れた様子はない。ただ自分がこの神社に歓迎されているのが言葉では表現できないが感覚でわかる。間違いない自分を呼んだのはこの神社だ。昔から嫌な気がする場所には敏感だったがこの神社に関しては特に嫌な気も感じなかったので参拝をし、少し周囲を散策した後に帰ることにした。
帰り道、神社から車で出発して数分後に友達の一人が車酔いのような症状を訴えた。その友達は普段車酔いは絶対にしない体質なので私は嫌な予感がしたが、一旦車を留め車の中で休憩することにした。
その直後、私が座る後部座席横の窓ガラスの向こう側に見知らぬ女が張り付いていることに気が付いた。その女は明らかにこちらに悪意をもっている。直感でわかる。もちろん友達には見えていないため自分の中で何とか消化しようと必死に耐えた。
すると今度はその女の首を鷲掴みにし引き留める太い筋肉質な腕が見えた。
その腕の持ち主は金剛力士像のような人の様相で鬼の形相をしている。
そして鷲掴みした女に向かってはっきりこう言った。
「この娘に手をだすな」
そういうと腕の持ち主は悲痛な表情を浮かべる女を引きずりながら神社の方に消えていった。
しばらくすると友達の症状も治まり、無事に帰宅することができた。
その後、その神社を深く調べていくうちに神社で祀られている仏像の画像をみつけた。
その仏像の姿が女を連れて帰った腕の持ち主にそっくりだったのである。

これが彼女の不思議な体験だ。
この世界には科学では説明できないことがある。




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