見出し画像

『冨安健洋』『宮市亮』共通する身体の使い方

フィジカル分析官/パーソナルトレーナーの栗原です。
今回のテーマは”『冨安』『宮市』に共通する身体の使い方です。サッカー好きならこの二人の共通項は分かっているかと思います。
この二人の共通項はケガの多さです。世界で戦えるポテンシャルがありながらもケガに悩まされるサッカー生活を送っています。
今回は二人の共通する身体の使い方と怪我の起こしてしまった本質的な理由を解析していきます。



富安健洋

1998年11月5日生まれ
福岡県福岡市出身
188㌢
84㌔
【富安健洋は幼い頃から大変優秀な選手だったようで過去バルセロナのジャパンアカデミーに所属しておりました。その際本国のアカデミーにスカウトがあったようです。】

【YOUTUBE引用】


宮市亮

1992年12月14日
愛知県名古屋市
181㌢
77㌔
【当時アーセナル監督のヴェンゲルに高く評価され5年という長期契約を結びアーセナルに加入。高校卒業後、Jリーグを飛ばし海外挑戦した先駆者です。】

【YOUTUBE引用】



富安健洋の既往歴

18‐19 膝の怪我
19‐20 大腿二頭筋の怪我
19‐20 ハムストリングス負傷
20‐21 ふくらはぎ負傷
20‐21 筋肉系の怪我
20‐21 膝の怪我
21‐22 ふくらはぎの負傷
22‐23 筋肉系の怪我
22‐23 knee surgery
23‐24 ふくらはぎの負傷
23‐24 ふくらはぎの負傷
24‐25 膝の怪我
24‐25 膝の怪我
24‐25 膝の怪我


宮市亮の既往歴

13‐14 Bruised rib
13‐14 ハムストリングス負傷
13‐14 ハムストリングス負傷
14‐15 足首負傷
15‐16 十字靭帯断裂
15‐16 膝の怪我
16‐17 十字靭帯断裂
17‐18 フィットネス系の負傷
17‐18 Ligament problems
19‐20 膝の怪我
19‐20 Groin injury
20-21 フィットネス系の負傷
21‐22 ハムストリングス負傷
22‐23 十字靭帯断裂
24‐25 ふくらはぎの負傷

共に凄い数の怪我数々です。
接触プレーで起きた怪我も勿論ありますが、自身のアクシデントによって引き起こしたものもあります。特に富安は宮市に比べ短い期間で怪我を多発しております。
今回は解説は怪我を引き起こしやすい身体の使い方を解説しています。


歩行

先ずは二人の歩行を見てもらいます。歩行とは歩き方です。歩き方はその方自身の身体の使い方が非常に出やすいポイントとなります。ぜひ最後までご確認ください。

下記、富安の歩行動画になります。
23秒から確認してください。左右に揺れを作りながら歩いております。これは何を示しているかというと中殿筋が出力の低下と腸腰筋、内腹斜筋、広背筋の機能不全が起きている可能性があるということです。

【YOUTUBE引用】

次の下記動画のURLはYOUTUBEショートです。
ご確認ください。短い時間ですが歩行になった瞬間左膝に負担を掛けて歩いていることが確認できます。骨盤に上手く乗りながら歩く事が理想なのですが富安の場合は左膝に重心が乗ってしまっています。これは上記で記載した筋肉の出力低下が起きている可能性があると考察できます。
ここで分かることは左右不対象の筋バランスであるということです。

↓↓下記URLで確認して下さい。

Tomiyasu 冨安健洋 👍

【YOUTUBE引用】


続きましてまして宮市です。
下記YOUTUBEショートのURLを確認してください。
左右で臀筋群の乗り方に違いがあります。特に右足です。右膝負担で歩行してしまっています。
これは膝の手術の影響もあるかもしれないですが歩行のタイミングが左右でズレてしまっています。更に言うと歩行時、右足の地面への踏み込み甘いです。特に右足の外側の外アートです。これは中臀筋の出力低下を意味しています。

↓↓下記URLを確認して下さい

宮市さんカッケーっす!! #横浜fマリノス #shorts #宮市亮

【YOUTUBE引用】

続きまして、宮市の術後161日後の映像です。
下記動画49分30秒から49分50秒をご確認ください。
上記映像と比較しても歩行自体に大きくは変わりはありません。こちらも同様に膝に負担を掛けて歩いております。
上記の動画共に宮市の歩行を確認すると体幹が固く見えます。
もう少し肋骨と胸椎の回旋動作があっても良いのですが体幹が固まったまま腕を振っていると確認できます。
これはアウターの筋肉が抜け切れていないと推測でき、特に外腹斜筋と腹直筋、腰方形筋が固いのではないかと思われます。その影響によって体幹が固いと見てとれます。
本来ポテンシャル的にもっとアジリティが出せる身体にも関わらずアウターの筋肉によって邪魔が入っています。これはウエイトトレーニング影響ではないかと勝手ながら推測してしまう所です。重めのウエイトを扱い身体を固めたトレーニングが多いのではないか、と歩行動作で覗えてしまいます。


またインナーユニットの出力に頼り切らず、アウターの筋肉をメインとして身体を連動をさせていると思われます。
インナーユニットの膨張と収縮の運動が必要だと推測ができ、インナーユニットの引き上げをもっと高めれば歩行動作のタイミングが変わり膝への負担が低減できると予想できます。

アスリートは何でもかんでも左右対称の筋バランスが良いわけではありません。
極めたスポーツによって、そのスポーツをしやすい身体付きになるものです。使われやすい、使いやすい筋肉が顕著に発達した結果、そのスポーツに最適な身体付きになるということです。
ですが富安と宮市は筋肉出力に問題があります。それは使えている筋肉と使えていない筋肉がはっきりし過ぎてしまっているという所です。
アスリートは身体全体の筋肉が上手く使えていることが重要であり、それが土台になります。まんべんなく身体を扱えていること条件であり、そのスポーツをする事によって特異的な動きが出てしまい左右のバランスに差が出てしまう。という事であれば問題はありません。
問題は使えていない筋肉が多々あり、上手く使えていない箇所が多くあるにも関わらずスポーツによる特異的な動きが出てしまい、更に左右のバランスが崩れてしまう場合は話が違います。

この問題が富安、宮市の二人にはあります。



ランニング時における腰椎の問題

今回のアジェンダは二人の怪我に大きく関わる問題です。
先ずは宮市から解説させていただきます。
宮市と言えばスピードに乗ったときのドリブルです。トップギアになるまでが非常に早くトップギアになるとすぐさま相手を抜き去るほどの能力を持った選手です。
ですがここに問題を抱えています。
上記で富安で解説した筋肉の問題は宮市にも共通しています。
それは腸骨筋群と内腹斜筋の出力に問題がある可能性があります。
宮市がトップギアで相手を一気に抜き去る際に一回沈みます。一回沈んでそこから加速します。
また加速時には腰椎を屈曲気味に曲げて加速しております。あれだけのスピードを持っているならば骨盤は前傾気味に入るべきです。ですがそれを行えていないとなると腸骨筋と内腹斜筋の反応が入っていない可能性が大です。
その影響によってトップスピードの状態にも関わらず腰椎が屈曲してしまっているのではないかと推測できます。
また腹部はもっとテンションが張っていることが理想なのですが、そのテンションがないことで怪我を引き起こしやすい状況を作っていると思われます。
下記動画で宮市がドリブル時の沈みと腰椎の屈曲を確認してみてください。

【YOUTUBE引用】

腸骨筋の出力が低ければ、ハムストリングスがマンパワーで発揮できないです。
ダッシュ時では腸骨筋とハムストリングスが拮抗しています。腸骨筋の力がなければハムストリングスが安定しないので、あれだけのスピードが出ているとなると足の回転率は非常に高いためハムストリングスの怪我と膝の怪我に繋がると想像できます。
そして宮市は足の長さが左右で若干違うのではないかと推測できます。
その理由は下記動画にあります。
下記動画の40秒から52秒のバックランジの動きを確認してください。
ランジ動作では軸足となっている体幹側は若干側屈します。これは広背筋の収縮が入る影響です。ですが動画を確認すると分かりますが左は側屈が入っていますが右は側屈が入っていません。
左右で広背筋の出力が違うということが確認できます。広背筋の筋の出力低下によって左右の足の長さが違うのではないかと推測できました。
またその影響もあって臀筋群の出力も足りていないと思われます。

【YOUTUBE引用】

宮市に付随して富安も同様な身体となっています。
では下記動画を確認してください。
動画は富安VSレロイ・サネとの場面です。日本のピンチを救ったスーパープレイです。走り出しの瞬間から加速するまで富安の骨盤の向きと腰椎の屈曲を確認してください。
宮市同様にあのスピードあれば骨盤前傾気味になり腸骨筋のテンションが入っていいのですが、腸骨筋のテンションが確認できません。
簡単に言ってしまえば本来もっとお腹が伸びていいのですが、お腹が少し曲がったままトップスピードで走っているのです。

【YOUTUBE引用】


下記動画はファンダイクです。
ファンダイクの骨盤立ち方、お腹のテンションの掛かり方をぜひ確認してください。
0秒~35秒ほどです。腸骨筋の反応しておりハムストリングスのいかに使わているのか確認できます。
地面を蹴ったあとの後ろ足はお尻に近い位置まで来ております。これはハムストリングスの中の大腿二頭筋が上手く使わている証拠です。ファンダイクの走りを見ると馬のようにも見えます。まるで馬が走っているような走りです。上体は安定しており、下腿の回転は非常に早く回転しており飛んでいるように見えています。
これは骨盤周辺の筋肉の反応が上手く繋がっているからと言えるでしょう。

【YOUTUBE引用】

富安の話に戻ります。富安は骨盤後傾になりやすいという特徴があります。
これは運動としてどのような影響が出るか解説します。
骨盤後傾は骨盤前傾に比べ体幹と下半身が不安定な状態です。簡単に言えば力が入りにくい体制になります。ですが不安定な為に相手との近距離戦での1対1の場合は足の組み換えを早く行えます。身体が不安定ということは足が早く動かすことができる事が利点として挙げられます。
ですが、動画でも分かりますが相手を背負うプレー、プレスしに行くときのプレーを見ると身体を支える位置がふくらはぎや、大腿四頭筋をメインにして身体を使っています。これは骨盤後傾気味でプレーをしている影響です。
怪物クラスの選手を相手にするならば身体を支える位置がお腹、臀筋群であるべきです。ですが富安が身体を支える位置はふくらはぎと大腿四頭筋をメインに支えてしまっています。
これは怪我を誘発してしまう一つの要因となります。

【YOUTUBE引用】

下記動画は富安のジャンプスクワット動画です。
腸骨筋の出力低下と確認できる動画です。ジャンプ後右膝が大きく揺れてしまっています。股関節の安定性が低いことを意味します。
そしてつま先が床に踏み込めてないので骨盤周辺の安定させるための筋肉の出力が出にくい状態だと確認できます。
またジャンプ後は右肩を確認すると右肩は右に回転しようとしていますので、左が軸となってジャンプしていると理解できます。
左軸となっているために特に左のハムストリングスがアイソメトリック状態になり左の関節周辺に負担が掛かっている可能性が高いと推測できます。

下記動画は2024年怪我から復帰後の富安の様子とのことです。
確認していただきのが15秒~30秒の映像です。歩行時の骨盤と肩の横揺れです。以前に比べ大きく揺れてしまっております。そして膝に負担が来ている事が覗えます。

【YOUTUBE引用】

下記動画ボローニャ時代の富安です。短い時間ではありますが今ほどは歩行の横揺れはありません。実際左右差のある歩き方をしていますが現在の方が更に怪我のリスクが高い歩き方をしていると思われます。
0秒~8秒をご確認ください。

【YOUTUBE引用】

富安、宮市の二人の共通した問題は骨盤周辺の筋肉群の左右差と出力低下があることです。そしてインナーユニットが使えているようで使えていないことも問題です。
まずこの二つが大きなポイントであり、それに輪をかけて問題になっているのが異常に足が速く、背が180㌢を超えていることです。これが掛け算となって怪我を引き起こしてしまっています。
もし仮に170㌢くらいで、もう少し足が遅かったら二人とも今ほど怪我が少なかった可能性があります。
ですが、二人は共に異常なスピードを持っており、それにプラスして身長の高さと体重の重さによって負担になったと推測できます。
一つ気になる所は腹式呼吸です。鼻から息を吸いどれだけ膨脹でき、どれだけ力が抜けた状態でお腹を収縮できるかです。
これはインナーユニットが使わているか一つの指標なのですが身体の付き方と動き方を見ると二人ともアウターの筋肉が非常に強いのではないかと思われます。
また共にふくらはぎの張りと肩回りの筋肉の付き方を見ると脱力しにくいのでないかと思えます。
脱力しながら運動、トレーニングがどれだけできているか知りたいところではあります。
脱力が上手くできればインナーユニットの使い方が上手くなるので、怪我を起こしにくい状態を作れると予測しています。

富安に関しては以前に比べ横揺れを大きくなっているので今後更に怪我の危険が生まれてしまうと勝手ながら危機感を持っています。
世界のサッカーチームのトレーニング映像を見ているとどこも筋肉の出力を高める運動が多いです。
怪我をさせないために選手にとって必要な事は”脱力”が重要です。この脱力とはアジア圏また日本古来の考え方なのかもれないです。合気道や古武術、居合。
素早い動きをするには、力を入れるだけではなく、脱力ができていることで素早い運動が行えます。

皆様、試しに手の指先と腕、足首の力を抜くイメージをして走ってみてください。脱力をイメージして走ると腸腰筋群、ハムストリングスが以前に比べ反応することが感覚で分かります。
またサッカーのプレスも同様です。
身体全体に力を入れてしまっては逆に弱くなります。丹田、中心軸の芯を整えているだけで強くプレスを行えます。
ぜひ富安、宮市に今後の選手生命の伸ばす為、更に飛躍のためにも怪我のないサッカー生活を送っていただけたら思っております。
また日本のサッカー界を背負っている二人をこれからも応援し続けたいと思っております。
心の底から二人のご活躍を祈っております。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
只今オンラインにてフィジカル相談、トレーニング相談を行っております。

【初回の方のみ】
お時間:60分
価格:2,200 税込

☑パフォーマンスアップを知りたい 
☑股関節が引っ掛かる
☑自分がやるべきトレーニングはこれでいいのか?
☑もっと良いトレーニング方法を聞きたい
☑トレーニングフォームが合っているか聞きたい
☑これまで以上に体を軽くさせ動けるようになりたい

お問合せは下記URLよりご連絡ください。

お問い合わせ | Health Care Support

オンラインにてご相談を乗っています。
気兼ねなくご連絡ください。ご質問は随時受け付けています。

【ヘルスケアサポート】
https://www.healthcaresupport.online

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集