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カイロの紫のバラ(1985🇺🇸)

原題: The Purple Rose of Cairo(1985、アメリカ、84分)
●脚本・監督:ウディ・アレン
●出演:ミア・ファロー、ジェフ・ダニエルズ、ダニー・アイエロ、エドワード・ハーマン、ジョン・ウッド、デボラ・ラッシュ、ヴァン・ジョンソン、ゾーイ・コールドウェル、カレン・エイカーズ、ミロ・オーシャ、カミーユ・サヴィオラ、ダイアン・ウィースト、アーヴィング・メッツマン、ステファニー・ファロー、デヴィッド・キー

映画好きの薄幸の人妻、セシリアが毎晩のように『カイロの紫のバラ』という映画のために劇場へ行きひと時の夢気分を味わっていると、突然映画の中の登場人物・トムが「毎晩見に来ているよね」と彼女に話しかけ、ついにはスクリーンの外に出てしまい…というコメディ。

映画はここで決してドタバタコメディにはならず、繊細に洗練された台詞劇へと移っていく。

アリス』の透明になる薬とかでもそうだったが、ファンタジー仕掛けだとしても、あくまで非日常の中の日常を描くというストーリー進行は本当に見ていて安心できる。

お金を払おうとしたら映画の小道具だった、とか喧嘩のシーンでも悪役を倒した後握手を差し伸べても現実ではもう一度卑怯にもパンチを食らうといった、映画と現実の違いにおけるギャグもところどころ散りばめられるが度を超した感じではなく、あくまでほどほどにといったバランスもよい。

こんなの挙げていけばもっともっとギャグとしていくらでも詰め込めるだろうけど、そうはしないところがウディ・アレンの良いところ。

DVDの封入物には20枚組「ザ・ウディ・アレン・コレクション」(2012年発売)の販促用の小冊子がついていて、収録20作品の解説が書かれている。これだけ読んでも楽しい。

ただ、商品としては2015年発売の(今は亡き)20世紀FOX「吹替の名盤」シリーズと冠したテレビ吹替音声収録版というものがあり、今さらながらどうせ買うならそっちにしておけばよかったなと思った。

なお、ブルーレイのほうにも日本語吹替版収録とのこと。


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