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オールド・ジョイ(2006🇺🇸)

原題: OLD JOY(2006、アメリカ、73分)
●原作:ジョナサン・レイモンド
●監督:ケリー・ライカート
●出演:ダニエル・ロンドン、ウィル・オールダム、タニヤ・スミス

ヨ・ラ・テンゴがサントラを担当した2006年の本作。EPが今月リリースされるということで観てみた。

ちなみに主演はボニー・"プリンス"・ビリー(ウィル・オールダム)。ミシュランで言えば星が2つもついたこれぞ「インディー」といった映画だ。

オレゴン州ポートランドを舞台に久々に再開した男二人がそろって森の奥の温泉を目指してキャンプに出掛けるという話。

マークには妊娠中の妻がおり、カートはヒッピーのような生活をしている。

キャンプに出掛ける朝、マークの隣家では芝刈り機が大きな音を出していてまるで夫婦の会話を遮断するかのようだった。

郊外の住宅街、

高速道路、

工場、

ガソリンスタンド、

田舎の農地、

と徐々に山地へと近づいていく様子をじっくり撮影している。

高速道路のシーンではヴェンダースの『パリ、テキサス』が一瞬フラッシュバックした。

意味ありげなカラスのショット。

やはりアメリカでも不吉の象徴なのだろうか。

道に迷う二人。

「現在地がわからない」ことをダイレクトに表現している。

そういえば地図の現在地って英語ではYou are hereと言うんだった。

キャンプの炎を見つめながら、カートはマークに君との間に壁があると語る。

マークの携帯に妻から電話がかかってくると、車から出たり、あるいはダイナーの外に出て通話を続けていて、文字通り二人は扉で隔たれている。

またしてもワンショットで抜かれる鳥はなんだろう。

カワセミ?ヤマセミ?

大きなナメクジ。

温泉にたどりつき、二人はそこで疲れを癒す。

ここの場面はやたらとクローズアップが多いように感じた。

カートがマークをマッサージするシーンの後、浴槽から流れるお湯の水滴、近くを流れる川の水しぶきをじっくりと映していくショットの連続には何かの意図を感じた。

まるでタイプの異なる友人同士の男二人旅、という設定でそういえば『こころ』にも男二人旅の場面があったなと思い出した。

一緒についてくる犬はルーシーというメスの犬。

飼い主のはずのマークではなく、カートの方になついているように見えた。

ヨ・ラ・テンゴの音楽は自己主張をすることなく、しっかりと映画に寄り添っていてとても良かった。



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