エンドレス・ポエトリー(2016🇨🇱)
原題: POESÍA SIN FIN(2016、チリ=フランス、128分)
●脚本・監督:アレハンドロ・ホドロフスキー
●出演:ブロンティス・ホドロフスキー、アダン・ホドロフスキー、パメラ・フローレス、レアンドロ・タウブ
前作『リアリティのダンス』のつづきから始まる。前後編のうちの後編といってもよい。
”昔の町”を表現するのに白黒の書割を持ってきて商店のシャッターなどに並べていったり、小道具を持って来たりと時折黒子が登場する。
地震が起きた際、「恐怖に支配されるな」などと言って、ベッドの下から息子を引きずり出す父親と、叫びながらもケーキにクリームを塗り続けようとする母親という二人の行動の違いがおかしい。
ただし前作ほど両親の登場は多くはない。アレハンドロが自立し自らの人生を歩みだすところが焦点になっているためだろう。
主人公アレハンドロを演じる役者は青年に変更されており、また作中でももう一度年長の役者に変わる。
色々な人との出会いに関するエピソードを繋げていきつつ詩人としての道を進んでいくという構成。
正直言って前作の続編ということで初見の衝撃というか新鮮味はさほどなかった。
合体ダンサー、超音テノール、超絶ピアニスト、爆裂画家とか変なキャラクターが出てくるけど、出てきただけであまりストーリーには絡まなかった。
自伝的作品と謳ってるからには実際の出来事をベースにしつつフィクションやファンタジーを混ぜながらという寺山修司的な手法なのだろうけど、あまりに現実離れすぎて逆にどこが本当の部分なんだろう?
そんなことを考えながら、ティム・バートンの『ビッグ・フィッシュ』にも似ているなとふと思ったりもした。