マダムと泥棒(1955🇬🇧)
原題: THE LADYKILLERS(1955、イギリス、97分)
●監督:アレクサンダー・マッケンドリック
●出演:アレック・ギネス、ケイティ・ジョンソン、セシル・パーカー、ピーター・セラーズ、ハーバート・ロム
一人暮らしの老婆の元に、下宿を借りに来た男…実は強盗団のリーダーだったという設定のコミカルなサスペンス。
後年コーエン兄弟がリメイク(未見)したが、確かにコーエン兄弟の映画にピッタリな題材。
強盗団以上に癖が強いのがこの老婆。
登場シーンでは、警察署へ行く途中ベビーカーの赤ちゃんに挨拶したところ泣き叫ばれてしまうところが映されているが、「善意でやったことがトラブルの種になる」というこの婆さんの持つキャラクターのイントロダクションとして上手い入り方。
強盗団たちはアマチュア楽団とうそをついて下宿先の一室で計画の密談をするのだが、そこへ何度もお茶の差し入れをしに来る婆さん。
皆のすばらしい演奏(本当はレコード)を聴いて21歳の誕生日パーティーのことを思い出したと自分語りを始め、女王陛下が崩御され、そこでパーティーは終わってしまったのよと言う。
婆さんが出ていった後の「いったいいつの女王様の話だ?」というツッコミには笑った。
被害者であるはずの婆さんが、このブラックコメディにおいてはトラブルメイカーとなるひねくれた構図がおかしい。
二点三点と展開が起こりつつも、過不足なくうまくまとまっていてとても面白い映画。
それにしてもこの前の『この庭に死す』でも思ったけど、50年代の映画なのに画質がめちゃめちゃきれい。
どちらもスタジオカナル製ということで良い仕事しています。
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