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ライフ・イズ・ミラクル(2004🇷🇸)
原題: LIFE IS A MIRACLE(2004、セルビア・モンテネグロ、154分)
●監督:エミール・クストリッツァ
●出演:スラブコ・スティマチ、ナターシャ・ソラック、ヴク・コスティッチ、ヴェスナ・トリヴァリッチ、アレクサンダル・ベルチェク
ユーロ開催に乗っかってヨーロッパ映画を観ていこうシリーズ。この当時はまだセルビア・モンテネグロだった。
音楽と動物が溢れた陽性の雰囲気にシリアスなストーリー、しかしあくまで明るいノリで持っていくという『黒猫・白猫』を彷彿とさせるクストリッツァ監督の作品。
舞台となっているのは1992年、ボスニアのとある山村。
息子ミロシュを兵役に取られ内戦開始のドタバタで妻に男と逃げられてしまう男、ルカが主人公。
ミロシュが捕虜になったことで捕虜交換による停戦を持ちかけられ、そんなこんなでルカの元にムスリム女性のサバーハがやってくるというようなストーリー。
ミロシュはプロサッカー選手を目指す青年で、パルチザン・ベオグラード入団という話も出ている。
映画には羊、ガチョウ、クマ、ロバ、犬、猫、鳩、馬、ネズミ、ニワトリ、ヒヨコ、タカといった動物たちが登場。
動物いっぱいで楽しいな。だけではない何らかの寓意性を体現させられているような感じがする。
・ロバ
失恋の絶望により線路に立ち尽くしている。
・クマ
隣人がクロアチアから逃げてきたクマに襲われた。
・ネズミ
病院に忍び込んでムスリムの看護師たちに退治されそうになるも上手く逃げ出す。
・猫
サバーハが噛るパンに一緒になって齧り付きながら奪い合う。
・タカ
内戦終結後、帰宅したミロシュたちの飼っていたガチョウを襲っている。
映画の字幕ではタカになっているし、大きさ的にも「鷲」ではなくタカなんだろう。
陽気な音楽が終始鳴っている様なこの映画で、この時のルカやミロシュが破壊された家に再び帰ってきたシーンの静寂と、前半でのパーティー後のシーンの静寂は異彩を放っていて印象に残った。
クストリッツァ監督の、映画における「画作り」の上手さという点で、改めてすごいなと感心させられた。