水の中のナイフ(1962🇵🇱)
原題: NÓŻ W WODZIE(1962、ポーランド、94分)
⚫︎監督:ロマン・ポランスキー
⚫︎出演:レオン・ニェムチック、ヨランタ・ウメッカ、ジグムント・マラノウッツ
ユーロ2024開催に乗っかってヨーロッパ映画を観ていこうシリーズ……だけどもはやサッカー要素は関係ない。
ロマン・ポランスキー監督のポーランドでの長編デビュー作。
日曜日の午後から月曜日の朝にかけてのできごと。
ヨットセーリングに向かう途中の夫妻がヒッチハイクの青年を乗せ、なんとなく流れで彼も一緒に同行するというところから映画は始まる。
"湖の上のヨット"という密室劇。
ものすごくドラマチックな映画というわけではないが、平凡な日常に波紋を投げかけるという意味では十分すぎるほどの事件を描いている。
映画登場時にはインテリメガネにスーツ姿の妻クリスチーナがストーリーの進行と共に、メガネを外してビキニ→水泳帽で泳ぐ→固めていた髪型が濡れて乱れ髪、とどんどん色っぽくなっていき不穏なムードに包まれていく。
浅瀬に座礁した後船室で休息を取るところで、入り込んだハエを必死に捕まえようとする青年のシーンが描かれているが彼自身が闖入者であると示しているようだった。
アンジェイ・ワイダ監督の『夜の終りに』同様に、苦いコーヒーと共に深夜のまどろみの中で観たい一本。