破られた約束(2009🇸🇰)
原題: NEDODRŽANÝ SĽUB(2009、スロバキア=チェコ=アメリカ、129分)
●監督:イリ・チェルムスキー
●出演:サミュエル・スピシャーク、オンドゥルセイ・ヴェッチー、ズザナ・ポルビャコヴァー
ユーロ開催に乗っかってヨーロッパ映画を観ていこうシリーズ。コパを観る余裕まではない。
このスロバキア映画、舞台となるのは第二次世界大戦最中の1938年から1945年、スロバキアのトレンチーン近くの町に暮らすユダヤ人の青年マルティン・フリードマンが主人公。
大家族で育ち、サッカー選手としても一流であったがナチスドイツの侵攻とともにユダヤ人迫害の波が押し寄せてくる。家族はバラバラに収容所へと送られるが、サッカーの腕前を買われたマルティンはなんとか生きる場を見出すことに成功する、というようなストーリー。
そのため収容所やらパルチザン野営場やらでサッカーをするシーンは多い。
ちなみにトレンチーンは元リヴァプールのシュクルテルがかつて所属したクラブがある街。
アマプラのサムネイルは思いっきり戦争ものという感じだが、戦場が出てくるのはラスト30分で、序盤は日常が描かれ、中盤以降は収容所とそこを脱出してからの放浪が描かれる。
あまり考える機会はなかったが、第二次大戦でユダヤ系スロバキア人がたどった運命という歴史の1ページを垣間見ることができた。
実際の出来事を基にしているため再現ドキュメンタリーのようなシンプルな作りだけど、大仰な台詞や過剰な演出もなく観やすかった。
馬が銃弾に倒れるシーンは映画的レトリックというか、ここはとても印象に残った。