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サッカー小僧(1974🇸🇪)
原題: FIMPEN(1974、スウェーデン、90分)
●監督:ボー・ヴィデルベルイ
●出演:ヨーハン・ベルイマン、モニカ・ゼッテルンド、インゲル・ベルイマン
舞台はスウェーデン。サッカーの天才少年ヨーハンがクラブチームにスカウトされ大活躍、ついには代表チームにまで選ばれてしまいワールドカップ予選を戦うことになるというお話。
映画のムードはサクセスストーリーとかそんなもんではなく、ほのぼのとしたユーモアに包まれている。
ヨーハン、通称フィンペン(チビッコ)がスカウトされたのはハンマルビー。
まずオートヴィーダベリというクラブと対戦し見事ゴールも決めてしまう。
このちっさいフィンペンがチョコマカとまたぎや股抜きをしていたりヘディングまでしている姿は可愛らしい。
仮に能力がメッシ並にあったとして、あの身長であれば実際に相手からしたらやりにくいのではないだろうか?
周囲の大人がヨーハンが選手として活動することをすんなりと受け入れているところが面白い。
監督から直々に、代表に入ってほしいという電話を母親ではなく本人に直接伝えるのがいい。
ヨーロッパ映画を観ると時々こういうシーンがあるが、6歳とはいえ子供を一人の人間として扱っているところがよい。
で、代表招集されたことをその後知ったお母さんが「ユニフォームがないわ」って心配するところそこかい?と思った。
ヨーハンの代表初試合はなんとW杯予選、スウェーデン対ハンガリーという大事な試合。
ここで、靴ひも縛ってもらっている間に失点してしまうという6歳ならではのハプニングが(笑)
それから合宿に向かうも、夜寝付かないヨーハンのために読む絵本をみんなで話し合うとかもギャグ的な処理ではなく真面目な感じで演出するのがまた面白い。
なんだかんだでその後代表メンバー皆でメリーゴーラウンドで遊んでいたのはよくわからなかったが。
猫と遊んでいて代表試合(フランス戦)を忘れるっていうのも、なんか6歳児のリアリティって感じが出てていいシーンだった。
試合後、ファンからサインを求められるも字が書けず、ニセモノ呼ばわりされて悲しむヨーハン。
これが、学校生活にも支障をきたしていた彼が代表引退を考えるきっかけとなる。
映画の最後のシーンはソ連との試合(字幕ではロシアになっていたが)。
実際の代表選手も出演しているらしいが、さすがに70年代のスウェーデン代表の選手はわからなかった。
最後が教室のシーンで終わるのもいいなあという感じで、『トリュフォーの思春期』に出てきた子供たちを彷彿させるような(多分)素人の子供たちも素朴でかわいい。