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父との思い出 職業編
私には絶対になりたくない職業が3つだけありました。
【僧侶】【漫画家】【編集者】です。
「若い頃から、日蓮宗系のある宗派の信者であったたかもちげんにとって…」と【祝福王】の解説を書いてくださった呉智英氏も触れておりましたが、父はとある宗教の熱心な信者であったと思います。
私は現在坊主頭ですが、40歳の時に前厄祓いの一環として坊主にしただけでずっと坊主頭ではありません。しかし、子供のころはずっと坊主頭でした。
「将来はお坊さんになるのかな?」
親が信者ですから当然周りも信者の方が多くなります。その見た目が故なのかもしれません。大人からの何気ない子供への投げかけかもしれませんが、幾度となくこの言葉を聞くたびに絶対なるもんかと心に誓っておりました。
信者ではなく実家が寺院であったなら違ったのかもしれませんが、私、他宗教を邪教というその宗派が大嫌いでした。今でも嫌いです。理由は長くなるので割愛しますが、いわゆる【宗教2世】独特の悩みを持っていた子供でした。正確には祖父母もそうでしたので3世になりますが…
「将来はやっぱり漫画家さん?」
いまだに謎なのですが皆さん、本気で言っていたんでしょうか?笑
漫画を読むのは好きでしたが、なろうとは微塵も思ったことはありません。
仕事ぶりを見ていたら絶対になりたくない職業です。
気になってググってみたところいらっしゃるんですね。親子漫画家さん。
ただやはりレアケースではありますよね。
ちなみに、私は父の仕事を一度も手伝ったことはありませんが、弟は一時期手伝ったことがあるようです。
「お前はオレのコネで出版社に就職とか考えてないだろうな?」
父に言われた言葉です。何故そう思ったのか知りませんが、基本的に父に頭を下げるという行為自体に抵抗がある子供だということは知っている筈と思っていたのでショックなひと言でした。
コネなんか使ったら一生頭あがらないですし、父親と比較され続ける人生なんてまっぴら御免です。跡継ぎになられる方々は大変な想いを背負っているのだと心から尊敬いたします。
番外編
さて先日、元アシスタントさんたちが墓参り&お線香をあげにいらしてくれ、ほぼ初にはなりますが色々お話させていただきました。
私が好き勝手書いているこのnoteについて「仕事上では見せなかった南波さんの一面が面白い」と仰ってくださり、むしろ外面は良かったんだなと逆に安心しました笑
そういえばワイルドタッチというパチスロ漫画の原案者である大友俊彦さまも父のことをよく言ってくださっていたなぁと思い出しました。
また、父はアシスタントさんたちからペンネームである【たかもち先生】と呼ばれず本名の【南波さん】と呼ばれていたのにも驚きましたが、日給制や時間給が多かった時代に月給制であったこと。連載2本重なっていた時期はきつかったこと。面接でいきなり下絵を描かせて採用の有無を決めていたこと等々、私が知らなかった父を知る良い機会ができ、会社を立ち上げSNSで発信することによる副産物のようなものが生まれて良かったなと思います。
こんなことを書くとまた母から「あることないこと面白いように書いて」と言われそうなので今回の記事は許可取ってません。(バレたらバレたで笑)
子供なりに思うことだって色々ありますからね。