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立 ち 上 が れ 滉 燿 くん ! ~明日を信じた5年間~ 10(8) 再び漢方薬の威力!身体が改善しました。しかし、・・・・
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またまた漢方薬が効果が出ました。身体の状態は日常生活を過ごす事は出来る様になりました。しかし、・・・・。
67 身体が少しずつ改善
年が明けて2008年、私は残り3ヶ月で完全に直してしまいたいと必死でした。体に良いと聞いた事は全部試しました。きつい時は横になりながら体の回復を努力しました。その陰でしょうか、2月に入ってからは、一日中だいたい起きていることが出来るようになりました。
漢方薬のお陰か、体調が良くなって来ました。うつ病は気分障がいと言われますが、私の身体は自立神経に障害があったのかも知れません。頭の方は全然問題なりません。
うつ病の薬は2週間の25mgの割合で順調に減り続けています。キツかった身体は段々と楽になって来ました。計算では3月にはなくなるはずです。そう願って居ました。
2月末、減り続けていた私のうつ病の薬は、ついにゼロになりました。やっとたどり着いたゴールです。最初に薬を飲み始めてから、ここまで7年の歳月が流れていました。本当にこの日がくるんだろうかと不安に思った日が何日有ったことでしょうか。3月のはじめ、私は復帰可能の診断書を野本先生に出してもらうと学校へ提出に行きました。これで後は病休が終わるのを待てば良いと安堵するような気持ちでした。
復帰の診断書を提出した後で、私は滉燿くんのお母さんに電話をしました。もう、半年も会っていません。音沙汰はなかったのですが、心配していることは、学校の先生から伝え聞いていました。
「もしもし、お母さんですか?辻塚ですが、どうもご無沙汰しています」
「あー、先生、具合はどうですか?」
受話器の向こうから驚いたお母さんの声が聞こえます。
「ええ、だいぶ良くなりました。滉燿くんの体のことも心配だったし、自分の状態も伝えたかったんですが、不正確なことを言って、変に心配させてもいけないので連絡しませんでした。今日、復帰の診断書を学校に提出してきました」
「それじゃあ、4月から出てこられるんですね。良かったー。また、滉燿をもってください。お願いします」
滉燿くんのお母さんは、もう、担任は私が続けるものと独り合点しています。でも、そんなこと安請け合いすると大変です。
「いやー。お母さん、人事は私にはわからないんですよ。ひょっとしたら学校を移るかもしれないし、校内も人事権は校長が持っていますから、自分が持ちたいと言っても希望が叶えられるかどうかわからないのです」
一応、釘を刺しておきました。
復帰の3月25日までは楽しく過ごせればいいなと考えていました。
しかし、事は、そうは簡単にいきません。復帰の診断書を学校に提出した翌日くらいから、また強い不安感に襲われるようになっていましたた。体力的には全然問題はなかったので寝込むようなことは有りません。しかし、気分の悪さはたまりません。
気分は悪かったのですが、5歳になる下の男の子の「お父さんの病気が良くなったら、海の中道海原公園に自転車を持って遊びに行こうよ」というリクエストに応えて、家族みんなで海の中道海浜公園に行きました。
海の中道海浜公園は福岡市の大きな公園です。金印発見で有名になった志賀島と陸地側の和白とを結ぶ砂嘴にある大きな公園です。水族館のマリン・ワールドや動物園や二百メートル四方くらいある広い芝生のあるきれいな市民の憩いの公園です。
二人の子ども達は、広い芝生の上を歓声を上げて自転車で走ったり、私とキャッチボールをしたりしました。所々にある遊具でも遊んで大満足です。空には、福岡空港に着陸する飛行機が高度を落としながらゆっくりと飛んでいます。
考えてみると、こんな遊びは子ども達が生まれてから初めての経験です。平成12年に生まれた上の男の子は7歳になっていました。この子が生まれる頃から、私は具合が悪くなり寝込むようになっていたので、休日に子ども達相手に遊んでやるのは、ほとんど有りませんでした。天気はあまり良くなかったのですが午後から約半日を公園で過ごしました。長い距離を歩いたり、ボールで遊んだりしても私の体は大丈夫でした。寝込むようなことはありませんでした。
しかし、心に忍び込んで来るうそ寒いような不安感はぬぐいきれません。『この気分の悪さは、やっぱり心理的な問題だな』
そう確信しました。体の方が具合が悪かった時代の感覚を覚えていて、無意識に怖がっている様です。仕事が始まる不安を訴えていました。でも、これは自分自身ではどうしようもありません。
「それはどうしようもないね。体が不安になるのは当然で異常な事じゃないよ。むしろ仕事が始まってペースが掴めると自然と治ってくるよ」
相談した三田先生や心理学の恩師である広島大学教授の岡田先生も返事は同じでした。ここは耐えて乗り切るしかない。私は覚悟を決めました。そうなると早く3月25日が来ないかなという気持も出てきました。
いよいよ復帰の3月25日になって学校での仕事が始まりました。そうなると今度は日にちが経つのがゆっくりなることを願います。出来るだけ良い状態で新学期を迎えたい。私の願いはただ一つです。ただ、三田先生は不安感を緩める漢方薬を、野本先生は夜眠りやすくなる薬を出してくれました。
後編 立 ち 上 が れ 滉 燿 くん ! ~明日を信じた5年間~ 11最終章 (1) 復帰!再び滉燿くんの担任です。へはこちら