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「徳島未来プロジェクト―世界に繋がる地方創生の新たな挑戦」

上杉拓哉の物語(続き)

徳島を「体験型ブランド」にするプロジェクトは、少しずつ地域全体を巻き込みながら前進していた。しかし、挑戦は常に新たな壁を生む。プロジェクトを具体化しながらも、成功の鍵を握る「徳島ブランドの海外進出」に向けた準備は、想像以上に困難だった。

そんな中、松本沙織さんの提案で、イタリアの地方都市と徳島を繋ぐプロジェクトが具体化し始めた。

徳島からイタリアへ――海外市場への挑戦

松本さんは、イタリアのトスカーナ地方にあるワインの産地と深く関わりを持っており、そこで毎年開催される地方産品の展示会を徳島にとっての第一歩と提案してくれた。

「トスカーナのように、地域全体が一つのブランドとして認知されれば、世界中の市場で勝負できる。徳島にはその可能性があるわ。」

彼女の言葉は、徳島の人々にも響いた。そして僕は、徳島の特産品を選定し、展示会での発信内容を具体化していくチームを立ち上げた。

展示会で発信する徳島の魅力
1. 阿波踊りと神楽の映像体験
徳島を象徴する伝統文化を、映像と音楽で表現したインタラクティブな展示を計画。海外でも通用する「文化の美しさ」をテーマに、来場者の心に残る演出を目指した。
2. 徳島の特産品ブース
地元の農産物(すだち、阿波牛など)を活用した高品質な加工食品を、現地の食文化に馴染む形で紹介。イタリアの消費者にも魅力的に映るようにブランディングを徹底した。
3. 地域工芸品の展示
徳島が誇る藍染製品や木工品を、現地デザイナーとコラボレーションし、モダンなデザインに仕上げたものを展示。これにより「伝統×現代」という徳島ブランドの価値を強調した。
4. 体験型ブース
展示会の来場者がすだちを使ったドリンクを作ったり、藍染めの簡易体験を行えるような「触れる展示」を設置。これにより、「徳島を感じる」場を作り上げた。

展示会成功の裏で直面した課題

展示会は一定の成功を収めた。現地のメディアでも「徳島」という名前が取り上げられ、特産品の商談も複数成立した。

しかし、その成功の裏で新たな課題が見えてきた。
1. サプライチェーンの整備不足
海外市場からの需要が生まれたものの、徳島の中小企業はその需要を十分に満たす供給能力がなく、輸出の課題が浮き彫りになった。
2. 現地市場での継続性
一度の展示会で注目を集めても、継続的に徳島のブランドを発信する仕組みがないと、単なる話題で終わってしまう可能性が高いことが分かった。
3. 若い世代の関与不足
展示会での活動を進める中で感じたのは、若い世代の意識の低さだった。徳島ブランドの未来を支えるのは次の世代だが、現状ではそれを担える人材が少なかった。

次なる挑戦――「徳島未来プロジェクト」の始動

これらの課題を解決するため、僕は新たなプロジェクトを立ち上げることにした。それが「徳島未来プロジェクト」だ。

徳島未来プロジェクトの3つの柱
1. 若手リーダーの育成
地元の若者を対象に、マーケティングやビジネス戦略を学べる教育プログラムを設置。徳島ブランドを支える次世代リーダーを育てることを目指す。
2. グローバルパートナーシップの構築
イタリアを皮切りに、アジアや欧米の地方都市とも連携を拡大し、徳島のブランドを世界的なネットワークで支える仕組みを構築。
3. サプライチェーンの強化
地元企業の生産体制を強化するため、クラウドファンディングや政府助成金を活用。地域全体で輸出体制を整える取り組みを進める。

次のステージへ

徳島ブランドは今、世界と繋がるための第一歩を踏み出した。しかし、この挑戦は始まったばかりだ。徳島を一時的な話題ではなく、永続的な価値を持つ地域ブランドに育て上げるため、僕はさらに深くプロジェクトに取り組んでいく。

「徳島を、世界の人々が憧れる場所にする。」

それが、僕の描く地方創生の未来図だ。

次回:上杉拓哉が「徳島未来プロジェクト」を進める中で、若手リーダーたちと共に乗り越えた課題とは?そして新たに見えてきた地方創生の可能性とは?

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