経産省女子トイレ利用制限撤廃に関し、経産省と人事院に抗議します
2024年11月15日に人事院総裁宛と経済産業省大臣宛に下記のとおり「経産省女子トイレ利用制限撤廃に関する抗議書」を送付しました。
記
2024年(令和6年)11月14日
人事院総裁 川本裕子 殿
経済産業省大臣 武藤容治 殿
性同一性障害特例法を守る会
代表 美山みどり
私たちは性同一性障害当事者による団体です。私たちは性同一性障害当事者の利益として「手術要件を守る」ことを掲げて、最高裁に対して当事者の声を届けようと奮闘してきました。
しかし、昨年7月11日の最高裁での、いわゆる「経産省トイレ利用制限訴訟」で、原告の女子トイレ利用を認めた判決について、私たちはそれを強く批判しました。
私たちは、未手術の「トランス女性」が職場の女子トイレを利用することについて、性別移行をした当事者としてそれを歓迎するどころか強い懸念をもち、安易な判決を下した最高裁に対して抗議の意思を表明しました。
しかし10月29日に人事院がこの利用制限について再判定し、その結果11/8に経産省は職員に対して、この原告の庁舎内のすべての女子トイレ利用を認めるように通知をしました。
私たちは人事院による再判定と、経産省の方針に対して、改めて抗議の意思を表明します。
なぜでしょうか?
性同一性障害の診断を受けた原告は、私たちの「仲間」ではないのでしょうか?
それにはいくつもの理由があります。
・この原告職員は、ツイッターの上で「わきまえないトランスジェンダー 霞が関にゃんにゃんOL」というアカウント名で卑猥な言動を繰り返し、どう見ても「女性に対して性的な脅威となる人物」であると見受けられます。
・裁判では同僚たちへの説明会が行われて、同僚たちの承認を得ていると原告側は主張しました。しかし、SNSで卑猥な言動を繰り返すような人物が、女子トイレを利用することを同僚の女子職員たちが本当に納得していたのか、疑問の余地のない説明はありません。なかなか本音を話しにくい環境にあることを、考慮すべきではないのでしょうか。
・また、上司や同僚に対して「手術を受けるつもりである」と話して、上司や同僚の理解を得たにもかかわらず、その後言を左右にして手術をずっと拒み続けています。理由は何であれ、不誠実な言動というべきではありませんか。
・経産省としては多目的トイレなどのこの原告の利便を図った職場環境の改善もしているのではないのでしょうか。そのような方向による妥協はできないのでしょうか。
・最高裁の判決は「職場という限られた人だけが使う女子トイレ」についての判決なのですが、判決後これを曲解し、不特定多数が使う商業施設などの女子トイレも、未手術の「トランス女性」の利用が公認されたとして、女装者たちがわざと突撃する事件がいくつも起こりました。
それに対する「女性スペースを守る法律」などの対策がまだ講じられていない時点で、危険なメッセージを軽率に発することを憂慮します。
もちろん、性的少数者への配慮は必要ですが、それは周囲が納得するようなものでない限り、互いを傷つけあうばかりのものではないのでしょうか。「マイノリティだから、優先されるべきだ」という主張は、いまだ社会全体の共有の認識には至っているものと思われません。
この人事院・経産省の「利用公認」が、社会に対する間違ったメッセージとならないことを、切に祈ります。
女性たちと、私たちを含む「性別移行者」の「戦争」といった事態に発展することが、私たち法に従って性別を移行した当事者にとって重大な脅威であることを、国民の皆様に訴えます。去年の一連の最高裁判決によって、私たち性同一性障害当事者への社会からの目が、極めて厳しいものに変わってきたことを、私たちは当事者として身に沁みて感じます。
国民全体の課題として、改めて議論が湧きおこることを、当事者として期待します。
以上
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