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ご無沙汰しております。もはや第何波だかもアヤフヤですが、とりあえず無事生きております。

(2024/11/11追記。隔離日記はこれで最終回です)

だいぶ書いてなかったので、とりあえず近況を報告してみようかと思いまして。ええっとこの冬またコロナの感染者数が増えて一時期、セミロックダウンとなり、今日からまた規制緩和、バールの営業(〜18時まで限定ですが)は再開されたものの、州の外にはまだ出られない模様、、、、出られたかな。どうだったかな。

というくらい、実はこのところあんまり真面目に規制の変化とか新型コロナウイルスのニュースを追っていません。でもそれは『もういい加減飽きたんで、規制無視して好き勝手やってます』ということではもちろんなくて、二週間ごとに流行状況によってくるくる規制の細かいルールが変わるもので(といっても州ごとに、イエロー<オレンジ<レッドの3レベルのどれかが指示され、各レベルの基本ルールはあまり変わらないのですが)なんだか「とりあえず村にいれば間違いなし。バールで朝食が採れたらめっけもん」くらいの感覚で夏の終わりからかれこれ半年近く生きています。いい加減、長いですね。3月のロックダウンからと思えばぼちぼち1年です。

大好きなシビッリーニ山地(リンク先は写真集です)も10月から行ってないです。色々と議論があって、結局規制があっても「自分の村ではできないスポーツのため」ということで登山には行けるようにはなったんですが(そして今、僕の暮らすマルケ州はイエロー規制なので、大手を振っていけるのですが)、なんだか行けないことに慣れ過ぎてしまったせいか、今一つ気乗りせずにいます。

(2000m付近から。月明かりに光るジェローザ湖、画面上のアドリア海の向こうの明かりはクロアチアの島だとか)

あと泊まりがけで行けない(らしい)というのも理由のひとつです。いちおうイエローの今も22時〜5時だかの(6時かも)夜間外出禁止令がありますので。泊まりがけで行かないと、山岳写真好きとしては半分くらいモチベーションが下がってしまいます。夕日と朝日、そして星を撮るのが何よりも楽しいからです。

(夜明けのグランサッソ山地、マルケの南の州、アブルッツォの山々です)

山に行くのは現実逃避というか、日常を忘れるため、極端な話、イタリアにいることすら忘れるため、みたいなところもあるので、日帰りにしても行く前から「今日は行けるんだっけ」とか「マスク持ったか」とか、なんというか、浮き世の様子をうかがいつつ山に向かうというのが煩わしいという気分もあります。ただでさえ、医療がひっ迫している昨今、山でなんか事故でも起こしたら申し訳ないという気持ちもあります。とにかく、そういう下界の雑念の壁が僕を山から遠ざけ、村内の野道ジョギングと娘たちとの散歩で充足させてしまっているようです。

(6歳の娘の絵。なかなか面白いでしょう。手本はたぶん高橋留美子先生の『うる星やつら』です)

もちろん、『お前なかば無理やり納得しているんじゃないの、それは心によくないんでないかい?』という感もないではないのです。どうなんでしょうね。いよいよ僕も四捨五入したら50歳なんで、この怠けぶりは単なる老化かもしれません。そういや僕の中で日本なんて完全に「イタリアにいる自分は帰っちゃいけない国」になっています。たぶん、認識としては間違っていないでしょう。いつの間にやら在外邦人をエイリアンあつかいする輩もいて。せちがらい時代です。

ともかく今日からまたバールで朝食が食べられる、それだけで幸せ、ということにしておきます。

あと、そうそう、日本に帰れなくても、日本で僕の訳書は出ます。当たり前ですが。近日中にあとがきを公開できたらな、と思っています。(2021/02/03追記。こちらで公開しました!)イタリアはマルケ州南部、モントットーネ村の現場からは以上です!


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