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【イタリア大学院留学】3. ビザ申請(後編): 「等価証明書」を1ヶ月で入手したはなし

どうも皆さま、こんにちは。
イタリアにてようやくアパートに入居し、地に足ついた生活を始めました、アラサー社会人留学生です(こちらでの生活の様子についても追々記録していきます)。
お初にお目にかかるみなさま、初めまして。私がなぜこの記事を書くに至ったのかについてはこちらを見ていただけるとわかりやすいかもしれません。お時間が許す際にご覧ください。

さて、今回の記事は前回からの続きです。
イタリアでの大学院留学に向けてビザ申請まで漕ぎ着けたのは良いものの、書類不備が発覚して炎上してしまった件について記録したいと思います。
(必要書類の準備〜申請までの段取りについては、以下の前編をご覧いただけると幸いです。お時間ある際に覗いてみてください。)

海外大学/大学院に出願する時点から取得に時間がかかる書類は多々あるものの、一部の国の進学・就労で求められる「等価証明書(それに準ずる書類)」という書類はその例かと思います。面倒なことに国だけでなく教育機関・企業によっても求める書類は異なってきますので、出願される際は私がやらかした失敗の轍を踏むことなく、十二分に進学先・滞在国の公式情報を確認されることを強く、強くお勧めします!!

それでは、「等価証明書」が必要であることが発覚してから、それを入手し、無事にビザを受け取るまでの流れを振り返っていくこととします。

【本編に入る前に】
こちらは「2024年7月時点」の「大学院正規入学」に向けたビザ申請の記録です。申請時期や留学目的の違い(e.g., 交換留学、語学留学、研究留学など)によって対象ビザの種類及び必要書類が異なる可能性があるほか、申請に必要な書類は頻繁に変更されています。申請される方は必ずご自身で
大使館などが発信している公式情報をご確認ください。
また、本記事に記載する内容には、これから進学・ビザ申請される方への情報提供を目的として、大使館担当者さま等に実際に迷惑をおかけした事例を含みます。皆さまのビザ申請などについて執筆者である私が責任を負うことはできませんので、繰り返しになりますが大使館・大学が提供する情報を十二分に確認し、余裕を持って手続きを進めることを強くお勧めします。この記事を根拠にギリギリの手続きをすることがありませんように、、、


そもそも「等価証明書」とはなんなのか

「等価証明書」という言葉、そもそも聞いたことありますか、、、?
普通に日本で生活していたらまず聞くことがないかと思います。
こちらですが、端的に説明すると「日本の資格が海外でも専門的と認められますよ、と大使館が証明する書類」です。車の国際免許みたいなものですね。
在日イタリア大使館のWebサイトでは、以下のように説明されています。

イタリアでは、研究の継続または就労目的での外国資格の承認手続きは、管轄領事当局による「等価証明」の発行を規定しています。この文書は、現地の法制度において、海外において取得した教育的または専門的資格の価値を宣言しています。

等価証明書は、同等または同等性の証明書ではなく、資格の評価に続いてイタリアの行政機関 (教育省、大学研究省、州立学校事務所、大学など)によって証明されます。

在日イタリア大使館「等価証明書」のページより引用

つまり、イタリアの大学院進学にあたって日本で学位を取得した場合、日本の学位の価値を宣言するため(→進学資格として有効であると認定してもらうために)等価証明書の発行が必要というわけです。また、大学によっては民間の認証機関が発行するレポートも受け入れている場合があります(私の進学先もそうです)。

ビザ申請面談時、私は等価証明書を「別の書類の別名」だと勘違いしており(なんともアホなことを、、、)、大学からも特に「取得してね」と言われた記憶がなかった(→正確には「飛んでいた」)ため、話し合いの末ビザ申請を保留としていただいたのでした。
(詳細は以下の前編にて)

そして帰宅後大学に確認し、ようやく「等価証明書」なる書類が存在していること、そして大学の入学手続きのために必要であることを理解したのでした。。。。

大学の学生ポータルサイトにもしっかりと記載されていたのでした。
(後日確認したところ、私が出席した説明会でも言及されており、私もメモをとっていたのでした)
なんというミスを、、、

この記事をお読みになり、かつイタリアへの進学を検討されている皆さん、どうか、どうか必要な書類は十二分に確認してからビザ申請に臨んでくださいね。

Mission: 1ヶ月以内に等価証明書を取得せよ

大使館ビザセクション担当者の海よりも深い慈悲により、1ヶ月以内に以下の手続きを進める条件で申請を認めていただきました。

  • 等価証明書(またはそれに準ずる書類)を発行すること

  • 等価証明書(またはそれに準ずる書類)を大学に提出し、Universitalyへの登録情報を変更してもらうこと

  • 等価証明書(またはそれに準ずる書類)と情報を変更したUniversitalyのコピーを大使館に提出すること

大学や各種ウェブサイト、そして他の留学経験者などから提供されている情報のうち、最もメジャーだったのは民間の認証期間から等価証明に準ずる証明書を取得するという方法。短期間での取得が必要ということで大学の担当者とも相談し、まずは民間の機関を探ってみることとなりました。

①民間の認証期間から取得する場合

大学のWebサイトの案内を見て、まず検討したのはCIMEAというイタリアのサービス。イタリア大使館からも案内されており、イタリア向けの学位証明書発行においてはメジャーなサービスのようです。
以下のページにてCIMEAに関する詳細な案内がなされています。私も参考にさせていただきました。

いくつか種類のあるサービスのうち、大学が求める書類を発行するには300EURを支払う必要がありましたが、それよりも何よりも、通常発行で60営業日かかる(30営業日に短縮するには追加で100ユーロ払う必要あり)というのが衝撃でした。手続きの性質上、時間がある程度かかることは織り込み済でしたが、、、

これでは間に合うはずがないので、他のサービスを探すことに。早めに準備を進めなかったツケがどんどんのしかかってきます。

ドイツのKMKという機関が提供しているサービスも紹介されていましたが、こちらも3ヶ月かかるということで断念。

そして次に見つけたのがカナダのWorld Education Services(WES)」という機関が提供しているサービス(アメリカ、カナダへの進学、就職を経験されている方には馴染み深いかもしれません)。
価格が160$、しかも大学に直接データを転送してくれるということで、他のサービスと比較するとかなり時短っぽく、コストもそこそこ。

最安で済ませるなら右で十分でしたが、
進学先大学へのデータ転送を含めて左のプランを選択しました。

加えてWebサイト上で提示されているプロセスについても、(希望的観測であありますが)1ヶ月あればギリギリ間に合いそうな様子。

必要書類がカナダの機関に届いてからのプロセス。
日本の大学によってはWESと協定を結び、証明書の電子認証を可能にしている場合もあります。
その場合郵送の手続きが必要なくなるので、出身大学に問い合わせてみてください。

迷っている暇はありません。他の留学準備で限度ギリギリになっていたクレカの残高を絞り出して即刻申請。大学に飛行機で出向いて証明書を発行いただき蜻蛉帰りを決め、ビザ申請から3日後にはDHLでカナダに書類を郵送したのでした。

しかし、私は失念しておりました。夏が欧米の進学・留学シーズンであることに。
カナダの機関に電話で進捗状況を問い合わると「今は月単位で時間がかかるし、人によっては3ヶ月待っている」とのこと。当方の事情を懇切丁寧に説明したところで、先方にはなんの関係もありません。こうして私の「ワンチャン」はあっけなく潰えたのでした。
(後日談ですが、申請してから約2ヶ月後に私の手元に届きました)

やばい、まじで留学がなくなる。航空券も取ったし、諸々の手続きどうしよう。今住んでる物件も月末に退去しないといけないし、大学が9月から始まるのに。

ビザ申請が拒否されるとその後が面倒と大使館の人に言われた記憶がありましたが、書類が手に入らないのではどうしようもありません。ビザ担当の方にビザ申請を取り止めようと電話を入れたところ、以下のお言葉をいただいたのでした。

「大使館で発行してもらったらどうですか。早くやってくれるみたいですよ。」

イタリア大使館 ビザセクション 担当者さま

②(オススメ)大使館に発行を依頼する場合

どうして最初からこの情報に行きつかなかったのでしょうか。
私の情報収集能力の低さと準備の雑さを呪いましたが、そんなことを言っている場合ではありません。崖っぷちなのは変わりませんが、望みがつながりました。

大使館のWebサイト(「領事各種業務・ビザ」のページから「等価証明書」に飛べます」)を早速確認してみると、民間のサービスよりも圧倒的に安く発行してもらえるではありませんか。しかも大使館に確認したところ、必要書類郵送後1~2週間で送り返してくれるとのこと。

2024年9月時点での等価証明書発行(留学目的)に必要な書類(大使館Webサイトより引用)。
必要経費はレターパックのみ。安い。

ただし「英語/イタリア語の書類を揃えること」「外務省の公印確認を受けること」の2つを乗り越える必要がありました。私の出身大学は幸いにして英語の証明書を発行していたのでイタリア語に翻訳する必要がありませんでしたが、公印は日本語の書類にしか押さない謎システム(あくまでも日本語の付属という位置付けだったのでしょうか、、、?)。

しかし、公印付き英語証明書に私の留学のすべてが懸かっています。貴重な有給を消化して大学まで飛んで公印付き証明書を取得し、蜻蛉帰りの末に外務省に公印確認の申請を提出したのでした。

申請から4営業日後、外務省での公印確認を終えた書類をイタリア大使館に郵送し、念の為ビザ担当者および等価証明書担当者にも連絡。そこからはスムーズに流れました。およそ1ヶ月、十数万円を消費した末に無事等価証明書を取得し、大学からの認証もいただいたのでした。

いただいた等価証明書の表紙。
私の不注意と勘違いが生み出したカオスを経てようやく手に入れたそれは、
これまでいただいた留学関連の書類で最も有り難みのあるものだったと覚えています。

スマートでもなんでもありませんが、ミッション達成です。

申請受理→ビザ取得

いただいた等価証明書と更新されたuniversitalyの書類を大使館に提出したら、もうビザに関してやることはありません。他の不備などで大使館から連絡を受けた場合を除き、静かに受け取り可能日を待つのみです(通常、申請から約2週間後に受取可能となります。私の場合は必要書類が揃ってから2週間後となりました)。

そして受け取り当日。
ビザセクション自体は11:30までですが、ビザ受け取りは11:00までなのを失念しておりました。大使館最寄りの三田駅に10:45に到着し、そこからダッシュです。

パスポートはビザ申請時に提出しているので、ビザ申請受理時にいただいている申請受理書と黄色い整理番号が書かれた紙を、受付の警備の方にお見せして入れていただきます。警備の方からビザ受取である旨と番号が書かれた札をいただき、その番号で呼ばれるので、札の番号は控えておきましょう。
建物に入る前のその他の手続きは、申請時と同様です。

そしてビザ担当者に番号を呼ばれ、以下のものを受け取ります。

  • ビザが貼り付けられたパスポート

  • 大使館の印が押されたUniversitalyのコピー、および保険証書

    • (申請された/申請予定の方へ)パスポートはともかく、Universitalyおよび保険証書はこの先何度も使う超重要書類です。絶対に無くさないようにしてくださいね。

面談予約からビザ受け取りまで一貫して同じ方が担当だったのが個人的に感慨深かったですね。先方からしたら「アホな社会人」かもしれませんが、こうして私の珍道中を終わらせることができたのはこの方に支えていただいたから。その方に届くかはわかりませんが、感謝申し上げます。ありがとうございました!

こうして無事にビザを受け取り、イタリア行きに必要不可欠なものを揃え終えたのでした。

ビザ申請総括

ここまで長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
分かりきっていることではありますが、普通に落ち着いて準備していればこんなことにはなりません。申請が受理されないこともないですし、留学に行けなくなるかもとメンタルブレイクすることもありません(私の愚痴・泣き言にお付き合いいただいた皆さま、誠にありがとうございました)。
今まさにビザ申請に向けて準備されている方も、近い将来ビザが必要になるかもしれない方も、以下に示すことだけでも心に留めていただくと、不測の事態に遭う確率が下がるのではと思います。

  • 申請準備は留学決定した瞬間から

    • 準備に手間と時間がかかる書類のオンパレードです。忙しい方も多いかもしれませんが、後回しにだけは絶対にしないでくださいね。炎上します。

  • 等価証明書は大使館に申請

    • コストと時間の両面で最良の選択肢です。郵送などにかかる時間は相当な余裕を持って用意しておきましょう。

  • 面談予約を最優先に

    • 夏は留学出発者でごった返します。飛行機のスケジュールなど決められないものも多いかもしれませんが、可能な限り早めの予約をお勧めします。

改めて、ビザ申請に関して助けていただいた大使館、外務省、大学関係者の皆さま、そして急な有給申請にも応じていただいた職場関係者の皆さまに感謝申し上げます。皆さまのおかげで今、イタリアから珍道中を発信できております。

次回はイタリア渡航前の準備を振り返りつつ、次々回くらいから順次現地滞在の様子を発信していければと考えています。
今はまだ大学院の授業が始まっていないので、今のうちにできるだけ書き溜めておきたい、、、(大学院の予習や仕事に追いかけられていますが、、、)

このアカウントでは、イタリア留学に関する様々な情報を発信していきます。
時たま新卒社会人のつぶやきや、社会人留学に至った自分語りが入るかもしれませんが、私が発信する情報が、それをを必要としている方に届いたら、そして少しでも楽しんで読んでいただければ幸いです。
縁あってこのアカウントに行き着いた皆さま、無鉄砲な20代のイタリア珍道中を引き続き見守っていただると嬉しいです。フォローといいねを、ぜひ。

それではまた。

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