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【教育書】生徒指導の聴き取り方 #27

こんにちは、GIANT KILLINGです。

今回はこちらの本です。

生徒指導の聴き取り方

私は聴き取りが苦手です。
どのような手順で、何を聴き取るのかが、
感覚頼りになってしまい、
保護者連絡のときに困ったり、
子どもに誤魔化されたりすることが多々ありました。

本書を通して、
聴き取り方の基礎基本や理論を学ぶことができます。


本の概要

まず始めに、
聴き取りを行うときの心構えとして、
全方位かつボーダレスに承認される指導という言葉が
本書には書かれています。

だれから見てもきちんと説明ができ、
納得感のある生徒指導を行うという意味です。
もし、後ろで保護者が見ていたとしても、
筋の通る聴き取りや指導ができるようにします。

聴き取りでは、
教師としての温かさをもちながらも
淡々とビジネスとしての仮面を被り、
任務を遂行する強い心も必要になります。

感情的になると、
冷静さに欠け、聴き取りに漏れが生じたり、
子どもを傷付けたりすることがあります。

また、どれだけ丁寧に聴き取ったとしても
グレーな事案はあり、なんでもかんでも
白黒つければよいわけではないということも
理解しておかなければなりません。


では、具体的にどのような聴き取りを行うかを
以下にまとめます。

質問の中で印象的だったのは以下の4種類です。

①誘いかけ質問
どんなことでも全部教えてください。
②時間分割質問
 それから〜、その後は〜、その間には〜
③手がかり質問
もっと詳しく話してください。
④5W1H質問
 いつ、どこで、だれと、何を、なぜ、どのように

このような質問とその効果を踏まえ、
子どもから情報を聴き取ります。

特に、5W1H質問やクローズドクエスチョンを
オープンクエスチョンにペアリングしながら、
子どもに質問することで、
子どもがその時の状況を思い浮かべ、
話し始めることができます。

基本的には、教師の話す量を極力減らし、
子どもに話させることを念頭に置きましょう。


一方で、不適切な聴き取り方、質問もあります。

①自身の仮説に沿うことだけを聞く。
  仮説に沿わないことは無視をする。

②同じ質問を繰り返す。
 取り引きをして言わせようとする。
 脅して言わせようとする。

③証拠を捏造して、自白させる。
 子どもの言葉を勝手に言い換える。

このような聴き取りは子どもに不快感を与えます。
この大人には何を言っても、
ダメだと思わせることになり、
お互いに納得感のある聴き取りにはなりません。


最後に、
本書に書かれている聴き取りの流れを紹介します。

①安心できる雰囲気をつくる。
②グラウンドルール(約束事)を示す。
③オープン質問で自由に話してもらう。
④時系列に沿って、5W1Hを確認する。
⑤矛盾を確認する。
⑥言い足りない事、気になる事がないか確認する。
⑦安心できるように声をかける。
⑧むやみに他言しないように伝える。

基本的には、
この流れを意識して、聴き取りを行います。

特に意識しておきたいことは、
聴き取りと指導が混同しないようにすることです。


聴き取りの時には指導しない。
聴き取り中に指導が入ることで、
子どもは防御態勢を取ります。
そうなると、
問題の核が見えず、事実の把握が困難になります。


おわりに(こんな人におすすめ)

本書をもっと早く読んでいれば、
防げたと思うトラブルがいくつか頭の中にあります。

聴き取りの段階で強く指導をしてしまい、
よくよく確認したら、
事実が間違っていたということがあり、
保護者対応案件になりました。

事実把握を怠り、
被害児童の話を鵜呑みにしてしまったことが
原因だと反省しています。

またこの先生なら誤魔化せると思われるのが怖く、
一人の児童に長時間の聴き取りを行い、
心身の苦痛を伴わせてしまったこともあります。

聴き取りが感覚頼みになっていたこと、
手順やポイントを理解してなかったことが原因です。


・聴き取りに困り感がある先生

・初任者やまだ経験の浅い先生

このような先生方に本書はおすすめです。

繰り返しになりますが、
本書を通して、
聴き取りのスキルや心構えを学ぶことができます。

本書から学んだことを
血肉化できるよう日々実践を積みたいと思います。

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GIANT KILLING(小学校教師)
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