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今日はだめだと知っていた。

朝起きたときから、なんなら早朝に中途覚醒したときから、ああ、今日は何かだめだと思っていた。
今日は朝から病院で、病院は現実的に起きられるなるべく早い時間を予約するようにしている。

暑さに万全の対策をして、最寄り駅まで自転車で、そしてそこから一駅。

病院に早めに着いたから15分ほど待ったと思う。
暑くて空いているお店も少なく、外にはいられなかった。
何をどう話そうかと考えていたけど、もう、何もまとまらず、診察室に呼ばれ、椅子に座り
「ご飯は食べれてる?」
と先生に聞かれた瞬間号泣してしまった。
夏バテをしているけど、少しは食べれてはいると答えたかったけど何の言葉にもならなかった。
「何か毎日習慣にできてることってある?」と質問を変えてくれたけど、涙しか出なくて何も答えられなかった。
本当はなるべく掃除と夕飯を作れるようにしてると答えたかった。

「今は復職も転職も扶養に入るのも専業主婦になるのも怖くてできない」と絞り出すように言った。
「もうまた頑張ろうと思えない」「ずっと、苦しかったけど頑張ったけどもう何も頑張れない」と言った。

先生はこの1年で生活も変わり、たくさんのことが起きて自分のキャパを超えてしまったんだろうと言った。
今はとにかく休んで、とにかく自己肯定感が下がってしまっているからカウンセリングもいいと思うよと言われた。
自分では全く安定しているとは思えなかったのに何故か薬を頓服にしようとしたから、それには抵抗して、不安なんです、ごめんなさいと言ったら
いいよ、と言ってくれた。

診察中ほぼ10分間泣き続けて、朝より頭がすっきりし、お会計をし、最寄り駅に戻り、薬局で薬をもらい、大好きな喫茶店でアイスコーヒーを飲みながら紙の日記をつけた。
おひとり様専用で、いつも静か、酸味の少ないおいしいコーヒーを出してくれて、店内もトイレも地元で一番キレイなお気に入りの場所だった。

夫からは心配のラインがたくさん来ていた。
それらを返し、外を見ると、ゲリラ豪雨の予感がして店を出た。
お昼に近い時間だったから、夫と食べようと近くのパン屋さんに寄ったら、レジの店員さんが赤ちゃんを前抱っこしていて母の強さにびっくりした。
帰りに「雨降りそうですね、気をつけて」なんて言ってもらって。

家に戻ると夫が心配した顔で待っていて、ふたりでパンを食べた。おいしいねと笑った。

今日は朝からだめだと知っていたけど、少し自分を元気にできるために頑張れた日だと思った。
だめな日じゃなかった。

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