
巨大本ができるまで②平山夢明さん『俺が公園でペリカンにした話 特別巨大版ボックス』
前回記事から時間が経ってしまい、すみません!
巨大本の発売まで、いよいよあと2日となりました。
早速ですが、前回(↓)の続きを。
第2回、巨大本のサイズ決定までをお伝えします。どうぞ!
■通常版『俺が公園でペリカンにした話』発売
2023年12月21日、『俺が公園でペリカンにした話』が発売されました。

こちらはいわゆる〈通常版〉で、四六判ハードカバー仕様。
巨大本の元になるわけですが、通常版と言いながら十分存在感があります。
お陰様で多数ご紹介いただきました。
▼1/11 『週刊新潮』
【書評】
— ジャーロ編集部🐈⬛ (@kobunsha_bun1) January 11, 2023
1/11発売『週刊新潮』最新号で、平山夢明さん『俺が公園でペリカンにした話』が紹介されました。
>世界をデフォルメして描く天才が
リズミカルに綴る地獄絵図
と評していただきました。杉江松恋さん、ありがとうございます! pic.twitter.com/hWgV1PpAO5
▼1/12 杉江松恋さん「エンタメ丼」2023年1月号・その3
▼1/14 朝宮運河さん「ホラーワールド渉猟」
▼1/24 若林踏さん「ミステリちゃん」2023年1月号・その2
どんな本なのか、どんな取扱注意事項(⁉)があるか、とても分かりやすく語ってくださいました。
この他にも各所でご紹介いただいています。ありがとうございます!
■巨大本のサイズが決まるまで
その裏側で、編集部は「まず何から大きくすればいいんだ……」と頭を抱えていました。巨大本だけではなく、Tシャツ、オンラインイベントもセットにして、まとめてボックスにお入れするには……。
各所との打ち合わせの結果、本の大きさが先決だろうと判断。本を出発点に、付属するアイテムやボックスに展開していくことになりました。
「巨大な本」の参考といえば……最初に考えたのはタウンページや時刻表でした。

小脇に抱えて、机にドンと置いて、指で追いながら一文字ずつ読んでいく……。そんなイメージです。
どこかラフな印象があるのも、ペリカンに合うように感じました。
ちなみに、時刻表がちょうど900ページほどだったので、
・『俺が公園でペリカンにした話』 584ページ
・『日々狂々、怪談日和。』 228ページ
を足して、2in1で800ページの1冊にまとめることもできるだろうかと検討したこともあります。(最終的には2冊別々の仕様です)
そして、「できるだけ大きく、できるだけ異様に」をモットーに試作品制作をスタート。「大きすぎて読書中に本が壊れるのではないか」という懸念を乗り越え、2022年12月下旬、A4版ハードカバーで製作できることになりました。
平山夢明さんが来社される予定があったので、実寸大模型を作成してお見せしたのも年末のこと。



そうして2023年1月上旬、束見本が完成。
平山夢明『俺が公園でペリカンにした話 特別巨大版ボックス』の束見本完成!重量感が伝われば…。
— ジャーロ編集部🐈⬛ (@kobunsha_bun1) January 13, 2023
この巨大本が〈2冊セット〉でお宅に届きます💣
詳細はこちらhttps://t.co/pOMjUZb2EN#俺ペリ#巨ペリ pic.twitter.com/MbQ2v8vm7D

測ってみたら、それぞれ2㎏と1.1㎏ありました。
ちなみに、
◉強度を高めるため、丸背ではなく角背に
◉異様さを醸し出すため、通常よりも厚めのボール紙に
といった拘りも隠されています。
この過程は、ブックデザイナー・坂野公一さんが詳しく解説くださっているので、ぜひご覧ください。めちゃくちゃ分かりやすいです。
巨大化にあたってのネックは本の厚みをどう出すかでした。XY方向の拡大は比較的簡単なのですが、Z軸は用紙の厚さによる制限から四六判と比べてどうしても薄くなってしまう。カバー、表紙のボール紙、本文用紙も極力厚くと製本所にご依頼。 https://t.co/ftr8s7YU0d
— 坂野公一/welle design (@sakaponta) April 4, 2023
本文は四六判サイズの単行本のデータを拡大出力によってA4化しました。校閲の手間をカットする意図もあります。ほんと大きな文字で読みやすいです。
— 坂野公一/welle design (@sakaponta) April 4, 2023
各扉はコラージュフォトで飾り、扉裏には平山さんに撮影していただいた意味深な写真を掲載しています。 https://t.co/UdAPqoK6zL
ペリカンと日々恐々のカバーデザインは阿吽みたく一対になるまとめに。
— 坂野公一/welle design (@sakaponta) April 4, 2023
本文のデザインはそれぞれ物語を設定してガラリと変えています。ペリカンはロードムービーで各扉にキービジュアルを設置。日々恐々は平山さんの大脳を表現。ページをパラパラめくると脳細胞が動いて見えるように。 https://t.co/ZDy00qRLoD
箱は天外側で接着仕上げ。ベロが地内側接着だと本に干渉したり全体が傾くことが判明して。
— 坂野公一/welle design (@sakaponta) April 4, 2023
フレキソ印刷の精度が悪いことを逆手に乗って、各辺の折り返しに回るようなデザインにしています。もっとズレると想定していましたが実際には結構精度高くて拍子抜けと言いますか😅 https://t.co/xrQgbMaJ02
(宣伝)
【2023.4.7発売←明後日!】
『俺が公園でペリカンにした話 特別巨大版ボックス』予約受付中
↑↑著者インタビュー、皆様からの応援メッセージ公開中です!
◉内容物の性質上、増刷が難しく初回限定生産品です。お早めにどうぞ。
◉Amazonなどの各ウェブ書店でも予約購入いただけるようになりました!
(宣伝おわり)
次回は、巨大本ボックスの中身を写真付きで詳しくご紹介します。
またお会いしましょう!
〈ペリカン〉シリーズ・まずはこちらを
『俺が公園でペリカンにした話』通常サイズ版好評発売中!
いいなと思ったら応援しよう!
