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最果ての町、とある紳士との出会い (初めての海外一人旅でイギリスを縦断した-11)
こんにちは。ゲンキです。
イギリス旅行記第11回は、北端の町で出会った旅する紳士・ダンさん編をお届けします。
~旅の概要~
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鉄道が好きな僕は、鉄道の祖国であるイギリスを旅することにした。「果て」の景色を求めて本土最北端の駅「サーソー(Thurso)」から本土最南端の駅「ペンザンス(Penzance)」を目指す旅である。遠く離れた異国の地で、僕は一体何に出会うのだろうか。(2023年3月実施)
↓第1回をまだ読んでいない方はこちらからどうぞ。
10:10 Thurso
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車酔いした。吐きそう。
さっきジョン・オ・グローツ村から帰ってきたところだが、帰りのバスでめっちゃ酔ってしまった。ひたすら気持ち悪い。
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幸い限界に達する前にバスが終点に着いてくれたので、降りてすぐさま近くにあるベンチに座り込んだ。冷たい空気で体を浄化するように、ゆっくりと呼吸を整えることに専念した。
「あれ、君今朝ホステルで会ったよね?」
聞き覚えのある声でそう呼ばれたのでそっちを見ると、そこには今朝宿で会ったばかりのおじさん、ダンさんがいた。
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ダンさんはスコットランドのスターリング出身で、日記を書きながら旅をしている。赤いジャンパー、背中には大きな緑色のバックパック。そして片脚に金属製のサポーターを着けている。ダンさんも町を散策している最中のようだった。
「え?もしかして今の2時間ぐらいのうちにジョン・オ・グローツまで行って戻ってきたの!?」
「あ、そうです。今行ってきました!」
「本当かい!?すごいな!!」
そんな感じで予期せぬ再会を喜びつつ、少し会話をして「それじゃあお気をつけて!」と別れた。それから数分して車酔いが治ったので、僕もそろそろ町を歩くことにした。
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サーソーはイギリス最北の鉄道駅がある町。最寄りの都会まで車で2時間半かかる田舎だが、意外にもけっこう賑わっている。歩行者天国の商店街は品揃え豊富で、若い家族からお年寄りまでたくさんの人々が買い物をしている。
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ゆっくり歩きながらジャンパーのポケットに手を突っ込んで、違和感を覚えた。
手袋が片方ない。
さっきのジョン・オ・グローツでは両手の手袋を着けていた記憶がある。しかしスマホを触るためにちょくちょく着けたり外したりしていたから、そのはずみで落としてしまったかのかもしれない。よりによってイギリスの「果ての地」で落とし物をするとは。ここまで無事で来れた代償と考えれば安いものだが、とはいえこの先手袋無しで旅を続けられるほど暖かくもない。
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というわけで手袋を買った。雑貨屋さんで売ってた8ポンド(1330円)のやつ。正直「手袋一つで1300円もすんのかよ!?」と思った。しかも右手の甲の位置にそこそこ大きなタグが付いている。そこにタグ付ける??とも思った。そんな微妙な仕様なのに、着けたら普通に温かった。(タグの感触はしばらくしたら慣れた。)
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そろそろ11時。どこかで昼ご飯を食べておきたい。昨日は遅くて食べられなかったホステル向かいのフィッシュ&チップス屋に行くと、なんと営業時間外。残念ながらディナーしかやってないらしい。完全に揚げ物モードになっていた舌で唾液を転がし、他の店を探すことにした。
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通り沿いの看板を眺めながら手当たり次第に道を歩いていた時。ふと前を見ると、見覚えのある赤いジャンパーと緑のバックパックの男性が。白髪で、片脚にサポーターをしている。
「ダンさん!」
振り向いたその人は、やっぱりダンさんだった。「おお、また会ったな!?」と彼も驚いた様子。どうしてもフィッシュ&チップスを諦められなかった舌が「この辺でフィッシュ&チップス食べられる店知りませんか?」と声に出していた。
「ホステルの向かいにあったお店は?」
「ディナーしかやってないみたいで…」
「そうなの!?…じゃあ商店街の方かな。あそこならたぶんあると思うよ。」
助言をくれたダンさんにお礼を言って、今度こそお別れ。さっき手袋を買った商店街へ戻る。
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30分ほど歩き回るも、なかなかフィッシュ&チップスを出していそうなレストランは見つからない。肉屋さんに例の「パスティ」が売られていたが、加熱が必要とのことでゲットならず。これから乗る列車で食べる用にスコッチパイだけ買ったけどこれだけじゃ腹が膨れそうにない。どうしたものか……
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雨がパラパラ降ってきた。道路が濡らされて、曇天の灰色がぼんやりと石の町並みに反射する。気づけば時刻は12時前。腹が鳴る。
僕はただ昼ご飯が食べたいだけなのに……。それだけを思って、重い荷物に疲れを覚えながら商店街を徘徊していたその時。
「あれ、また君じゃん!何回会うんだ!?」
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なんとダンさんに遭遇(3回目)。
サーソーは小さな町なので、これだけ歩き回っていれば同じ人に数回出くわしても特段不思議ではない。だからってこう何度も出会うと、もう何かしらの縁を感じずにはいられない。ダンさんは笑って僕に話しかける。
「フィッシュ&チップスは食べられたかい?」
「それが全く見つからなくて…」
「うーんそうか…ちょっと待ってて」
そう言って近くのお店に入っていくダンさん。すると彼は買い物に来ていたマダムたちに、
「こちらのジェントルマンはフィッシュ&チップスを食べたいらしいんだけど、この辺で食べられるお店はあるかい?」
と代わりに尋ねてくれたのである。
彼の優しさと行動にも驚いたが、初対面の僕のことを「ジェントルマン」と呼んでくれる彼の心遣いに「これが英国ジェントルマンか…!」と深く感激した。
ただ、マダムたちの答えは「フィッシュ&チップスは昼には食べないわよねえ…」とのこと。日本人の感覚だとフィッシュ&チップスはハンバーガーと同じ括りなので昼ご飯にもなりそうだが、現地人にとっては夕食のメニューらしい。もうフィッシュ&チップスにこだわらず昼食を探した方が良さそうだ。
またしてもダンさんに助けられてしまった。何度もお礼を言って手を振り、再び道を歩く。いやー、素晴らしい人に出会えてよかった。
少し行ったところにノースコースト・ビジターセンター(North Coast Visitor Centre)という立派な石造りの建物を見つけた。入り口の看板には「Cafe」と書かれているので、大人しくここで軽食をとることにしよう。
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受け付けにバックパックを預けてカフェに行こうとしたところ、またまた後ろからダンさんがやってきた。彼は僕の後ろについてきたようで、結局その流れで一緒にご飯を食べることになった。
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温かいドリンクを飲みながら、彼と色々お喋りをした。僕のリスニングが正しければ、ダンさんはグレートブリテン島の北に浮かぶオークニー諸島へ行ってきたらしい。今回サーソーに来たのは趣味ではないとのことだったが仕事とも違うようで、その辺の説明は英語が難しくてよくわからなかった。
「イギリスでおすすめの場所とかありますか?」と聞いてみたところ、ウィンダミア(Windermere)というイングランドの街を教えてもらった。ウィンダミアはいわゆる「湖水地方」に位置する自然豊かな所で、アーティストも多く暮らしているそうだ。今回のイギリス旅では残念ながら湖水地方に行かないので、次にイギリスに来るときはぜひそこを訪れてみたい。
「何かイギリスについて質問ある?」とダンさん。僕はしばらく悩んで「旅の時に食費を抑えるコツとかってありますかね?」と聞いた。(イギリスの好きなところやスコットランドの生活とか、もっと深い内容を聞けばよかったと後悔している。) ダンさんによると「アルディ(ALDI)」と「リドル(LiDL)」というスーパーは値段が安くて使いやすいらしい。今後の買い物の参考にさせてもらおう。
ダンさんは今日これから故郷のスターリングに帰るという。一方僕は今夜アバディーンという街のホテルを抑えているので、そこまで行かなければならない。その事を話すと、ダンさんは「僕の息子がアバディーン大学に通ってたんだよ!」と教えてくれた。「建物が古くてかっこいいから、時間があれば見に行ってみるといいよ」「海が近いからきっと美味しいフィッシュ&チップスも食べられるよ」などなど、色々なアバディーン情報も手に入れることができた。
それだけでなく、僕ら2人ともサーソー駅を13時に出る列車に乗ることが判明。それぞれ列車の乗り換えとなるインヴァネス駅までの片道4時間、この先も同じ道を辿っていくのだ。もはや運命すら感じつつ、僕らは駅に向かうためカフェを後にした。
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13時前、サーソー駅に到着。昨晩とは打って変わって大勢の人がホームで列車を待っている。やがてインヴァネス行きの列車が到着し、みんな大きな荷物を抱えて車内に乗り込んでいった。
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僕とダンさんは、通路を挟んで4人掛けテーブル席にそれぞれ一人で腰を下ろした。行く先が同じといっても、窮屈に隣に座ったりしないのが「一人旅×2」ならではの距離感である。
ディーゼルエンジンを響かせて、2両の列車は最北の駅・サーソーを出発。しばらくすると雪が降り始め、僕たちはどこまでも続くモノトーンの世界を南へと下っていく。
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僕はさっき肉屋で買ったスコッチパイを食べることにした。スコッチパイは2個入っている。今日のお礼も兼ねてダンさんに「一ついかがですか?」と渡そうとしたが、彼は「いや全然気にしなくていいよ!一人で両方食べな!」と言ってくれた。本当にどこまでも優しさに満ち溢れた人だ。ありがたく2つとも頂いた。
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ダンさんはテーブルに大きな日記帳を広げ、真剣な眼差しで何かを書き込んでいる。
今日僕は何度もダンさんの優しさに助けてもらった。でも、まだちゃんとお礼ができていない。終点で別れる前に、何か一つ彼に贈り物をしたい。
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昨日辿ってきた線路を逆向きに戻っていく。海沿いを走り、浅い谷を抜け、羊たちが草を食む牧場の横を進む。夕方に近づくにつれて、日もだんだんと傾いてきた。昼寝をしたり日記を書いたりしているダンさんを横から眺めつつ、僕は手元でシャーペンを動かしていた。
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あっという間に16時半を過ぎ、終点のインヴァネスまであと数駅。一緒にいられるのは残り15分。僕は「ある物」を持ってダンさんに声をかける。
「あのー、お別れする前にちょっとしたプレゼントがあるんですが…」
「ん?何だい?」
僕は一枚の紙を差し出した。
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僕がダンさんに贈ることにしたのは、日記を描く彼の絵である。
終点までに間に合うよう、そしてダンさんに気づかれないよう、約1時間かけてこっそりとスケッチさせてもらったのだ。スコッチパイのお裾分けを断ってしまうほど優しい彼でも、さすがに僕が描いた絵なら受け取ってくれるだろうという企みもあった。なんにせよ、スコットランドの雄大な景色のように穏やかで優しい心へのリスペクトを彼に伝えたかった。
「え!?僕じゃん!上手いね!!てかいつ描いたの!?全然気付かなかった!!」
「ありがとうございます、でもまだまだ感謝を伝えきれません…」
「いいんだよ!こちらこそ素敵な絵をありがとう!」
彼は顔いっぱいに喜びの表情を浮かべて「Thank you!!」と言ってくれた。惚れ惚れしたように僕の絵をじっくり眺めるダンさんを見て、僕も嬉しくなった。
17:06 Inverness Station
列車はネス川に架かる鉄橋を渡り、ついに終点のインヴァネス駅に到着。
大きな屋根と何本も並ぶ長い列車、そしてホームを行き交う大勢の人々。昨日もここにいたはずなのに、ずいぶん久しぶりに戻ってきたような気がする。
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非常に名残惜しいが、ダンさんとはここでお別れしなければならない。
インヴァネスより先の線路はスターリング方面とアバディーン方面の2つに分かれており、これから僕たちは別々の列車に乗っていくのだ。乗り換え時間は僅かしかない。
拳をグーにして僕の方へ突き出すダンさん。僕も同じように拳を握り、ゴツンと合わせる。ダンさんの拳は骨ばっていて、指の背越しに硬い感触と確かな体温を感じた。
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「気をつけてね。良い旅を!」
そう笑顔で声をかけてくれるダンさんに、「See you(また会いましょう)!」とはもう言えないのが寂しかった。
見えなくなるまで手を振りながら、僕とダンさんはそれぞれの列車に乗り込んだ。
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17時13分、僕が乗るアバディーン行きの列車が先に発車。静かにホームを離れ、少しずつ加速しながらインヴァネスの街を離れていく。やがてスターリング方面の線路と分かれ、列車は東に進路を取る。
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後方に沈んでいく太陽が前方の雲を黄色に照らして、緩やかな丘と平らな草原が車窓の向こうを流れていく。
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車内は静か。線路の甲高い金属音だけが鳴っている。声を出すわけもなく、僕はただ無言で景色を眺めている。そういえばこれは一人旅だった。そう、もともと一人旅だから何もおかしいことは無くて、ただ今までのスタイルに戻っただけなのだ。
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そのはずなのに、大風のようなとてつもない寂しさが僕の胸に押し寄せてきた。こんなに美しい車窓の風景を見ても、感じるのは満たしようのない人恋しさばかり。今すぐ空いている向かいの席に誰か座ってきてほしい、そんなことすら真面目に考えてしまう。
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一人だから好きなようにどこへでも行ける。その自由が、今はこれ以上ないほど寂しい。
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一人ってこんなに心細かったっけ。
大学進学を機に一人暮らしを始めたときですら、こんな寂しさを覚えたことはなかった。もともと一人でいるのが好きだったから実家を出ることに抵抗もなかった。
それなのに今、目に映る全てが自分でも不思議なくらいに切なく見えてしまうのは、きっとダンさんが境界線のない愛で異国から来た僕を受け入れてくれたからだろう。家族でも、友人でも、恋人でも、一緒に「旅」をしてくれる人がいることは、とてもありがたいことなんだと思った。
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夕日が眩しい。涙が滲んだ。
彼は今どんな気持ちでいるだろうか。いや、どんな気持ちでいたとしても、彼が無事に今回の旅を終えて家に帰り、また次の旅に出られるよう元気でいてほしいと願う。そんなことを思いながら、だんだん暗くなっていく空を見つめていた。
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19時35分。すっかり暗くなった頃、終点のアバディーン(Aberdeen)に到着。他の乗客とともに長いホームを歩いて改札へ向かう。広いコンコースにも、もう人は少なかった。
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今夜泊まるのは、駅からも近い「アバディーンハウスホテル」。部屋に荷物を置いて、この旅初めてのフィッシュ&チップスを食べに行った。枝豆?か何かをすりつぶしたディップの味はイマイチだったけど、魚もポテトもサクサクしていて美味しかった。
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今日は出会いと別れの一日。これからもずっとそうかもしれない。でもその一つ一つが旅を、人生をもっと面白いものにしてくれるはず。旅人歴も経験もそれなりに積み重なって、だんだんそのことがわかってきた。ちょっと感傷的になりすぎたなと、さっきまでの自分を反省する。
明日もきっと「出会い」がある。明後日も、その次の日も。それを想像する間もなく、疲れていた僕はベッドに入って1分足らずで熟睡した。
つづく
というわけで、イギリス旅行記第11回は以上になります。
今回の「ダンさん」編、いかがだったでしょうか。
いつもの旅行記では風景や地理をメインテーマにしていますが、今回は旅の中での「出会い」にフォーカスして書きました。僕はいつも旅先での縁や会話をありがたいものとして受け取っており、ダンさんとの出会いはその姿勢のルーツにもなった体験です。当時リアルタイムで感じたこと、思ったことが読者の皆さんにも伝わるよう、今回は物語調に仕上げてみました。この記事を読んでくれた皆さんの「出会い」がより良いものになれば嬉しいです。
次回、第12回はスコットランド第3の都市・アバディーン編をお届けします。お楽しみに。
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それでは今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!
↓第12回はこちら