愛してるゲームを終わらせたいの感想を書く。第六話。
一日一話、愛してるゲームを終わらせたいの感想を書く。今日は第六話「幼なじみはデートをする」です。
ついに来ましたね、第六話。初めて読んだ時一番胃が痛くなった記憶があります(笑)
前話のラスト、待ち合わせ場所でゆきやは『お前そんな格好で行くつもりか?』とぶちかまし、レンタルドレス専門店へ足を運んだゆきや。
みくがすごいお洒落をしてきたことには一応気付いていたようで、「着替えさせるのに一瞬戸惑ってしまったが…」と思いつつ、「少女マンガとひなこさんを信じろ!!」と腹を括った様子。
ん〜…でもオシャレしてきたと気づけるだけいいんかなぁ…とか思うようになってきた。初めて読んだ時は「何してくれてんねん!」って憤慨ものでしたけどね(笑)
一方みくは、「出先でいきなり着替えさすってどゆこと!?」と複雑な様子。そりゃそうよ。
店員さんも「高校生のお客様なんて珍しいとは思っていたんですが…デート…ですか…」「すごいおしゃれしてますもんね…」と困惑し
「あの…私何も聞いてなくて…」
「それは…お困り…ですよね…どうなさいます?お二人でご相談されますか?」
と店員さんと作戦タイムに。
ここの「えっと…えっと…」のみく可愛い。(可愛いとか言ってる場合じゃない)
そこに助け舟を出したのは先輩スタッフたち。
「きっとサプライズがしたかったんでしょうね。」
「一生懸命選んだドレスを伝えようとされてて、」
「なんか初々しくてかわいかったわ〜」
「エモエモですねー高校生ーっ」
と盛り上がりゆきやの心情を慮ってくれます。
それを聞いたみくはゆきやが選んだドレスと向き合い、「ゆきやは、こういうのが好きなのかな…私に似合うと思って選んでくれたのかな…」と思案します。
ここねー、みくも選んでくれたゆきやの気持ちに寄り添おうとしてるんですよ。そして少し先(三巻十八話)でこのドレスを選んでいる時のゆきやが少し描写されてるんですが、本当に真剣にみくのことを思って選んでるんですよね。そういうところを感じ合えるの素敵な関係性だなって思います。
かくして「それで…大丈夫です。」と受け入れたみくがドレスを身に纏った見開きページ!もう神々しさすら感じます。
あまりの可愛さに言葉が出ないゆきや。みくが「私にこういう服着せたかったんだぁ?ねえ嬉しい?感激して言葉もないか?」とヒラヒラさせると「いい服はどんな奴にも似合うようにできてるな。」……お前ブッ飛ばすぞ。
みくが言い返す間もなく「ほら行くぞ。」とスタスタ行ってしまいます。これにはみくも「こんなドレス着せてどこ行くつもりなの…!?」と不安感全開。そしてその不安は的中し…たどり着いたのはどう見ても高校生には場違いそうな高級レストラン。
周囲の視線にみくは完全に固まってしまいますが、ゆきやはなんとか計画を遂行しようとします。これにはみくも「上ずった声で何言ってんの!?」とツッコミを入れ、さすがのゆきやも一瞬たじろぎを見せますが、負けじと決め台詞を披露。
最早みくは「アハハー…わかる。」と返すのが精一杯。
緊張と恥ずかしさから顔を真っ赤にしてしまいますが、料理を一口食べるとその美味しさに表情が明るくなります。
少しほっとしたゆきやに対し、ゆきやの気持ちを察するみく。9ページ右下コマ「無理しちゃって」の表情は優しさを湛えていて好き。
ただこれで終わらないのが今回のゆきや。
「本番はまだまだこれからだぞ。」のセリフにみくも白目になってしまいます。
「これ以上何をやらかすつもりー!?」と心配したみくが連れて来られたのは夢の国。
この流れで来ても「わぁーゆきやと夢の国だー!!」と素直に表情が明るくなるみくの無垢さよ。
「これとかまだ乗ったことないなー。」と楽しそうなみくですが、振り返ったところにゆきやはおらず…。キョロキョロしていると突然クレープを差し出し「ひとりぼっちで不安だったか?」と言うゆきや。みく渾身の「ゆきやが迷子になったかって不安だったんだよ!!」のツッコミ大好きです。
ドッパァァンするアトラクションにも乗り、なんだかんだルンルンなみく。攻勢をかけようと「足疲れちゃったなぁ〜」と仕掛けるもまさかのお姫様抱っこをしようとするゆきやに顔を真っ赤にして拒否。
あまりの謎行動の多さに押されてる感を覚えるみく。返り討ちにしようと決意し、ゆきやの呼びかけに答えようとするも…「わからんっっ!!」
この14ページ下のコマの「来た!!」から「わからんっっ!!」までの撃沈していくみくの動き、丁寧に描写されてていい。
「わかるかあ!」と思っ切り突っ込んだ後、笑顔を見せてくれるみく。その夜景に照らされた横顔に「効果あんじゃんよ…」と頬を染めるゆきや。
「まだ何かあったりするの?」と最早この状況を楽しみにいっているみくに見つめられます。
覚悟を決めたようなゆきやに「目…つぶってくれないか。」と伝えられ「それ…ガチなやつ!?」と慌てるみく。「いいから、つぶれ。」と押され、おずおずと目を瞑るみくにゆきやはティアラを被せ「今夜は…俺だけのプリンセスだ。」
「待ってこれは恥ずい!!」と即ティアラを外し、「それは意識したって事か?」と寝ぼけたことを言うゆきやに「そういうベクトルじゃないっ!」と返すみく。
改めてティアラを被されたところで遂にみくから「…今日ゆきや正直ヤバいよ?」と言われます。
自覚はあった様子のゆきや、それでも「インパクトはあっただろ?」とみくに伝えると、「お前の初めては、誰にも渡さない…」と呟き揺らぐ視界。
みくに抱きつく格好になりながらも何やら様子がおかしいところで次話へ続く…。
この公園でのやり取りはようやく二人らしさが見えて安心しました(笑)
デートに誘った時のみくのはしゃぎよう、それから三日三晩悩み三時間かけて準備してきたみくへの対応。その後のデートコースと行動。そりゃ少女漫画を参考にしたプランだからですが、もう胃がキリキリして「もうちょっとなんとかならんのか!」みたいな気持ちで見ていましたが、ようやくここでみくのツッコミラッシュからゆきやの「ヤバいなーとは思ってた…」という自覚あり発言を通して、元の二人感が見えた気がしました。
「目をつぶれ。」からキスではなくティアラを送ったゆきやでしたが、これものちの展開で効いてくる仕掛けになっています。本当この作者は布石の打ち方が丁寧だなぁと思わされますね。
ゆきやが暴走しまくりの第六話でしたが、それに振り回される形でみくの色々な表情が引き出され、何よりドレスにティアラにとみくの綺麗な絵が何枚も描写され読者的には心理的なむず痒さと視覚的な美麗さの板挟みとなった今話ででした。