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愛してるゲームを終わらせたいの感想を書く。第十二話。

一日一話、愛してるゲームを終わらせたいの感想を書く。今日は第十二話「幼なじみは心配する」です。

ゆきやがわかなにお説教をするシーンから始まる今話。
中学生になりたての可愛い妹がオシャレして遅くに帰ってきたら、心配したくなる気持ちはまぁわかる。けどウザく感じちゃうよね(笑)
わかなに部屋を追い出され「やっ…てしまった…」と落ち込むゆきや。そこにみくから着信が。
この5ページのみくさぁ、なんか髪型新鮮で良いよね!
髪を下ろしたスタイルは前話でも描かれているんだけど、描写角度の関係かボブとかミディアムくらいに見えてさ。りぶねすのアスカっぽい感じの髪型、とても好き。

さて、イカのお誘いに電話をしてきたみくですが、ゆきやの落ち込んだ様子に気づくと、「ちょっとコンビニでも行かない?」と誘ってきます。
ゆきや側からもそうだけど、こういうお互いの声の調子に気づいて気遣えるのすごくいいよね。
かくしてみくと一緒にコンビニに向かいながら事の経緯を説明したゆきや。
「だっさ〜わかなちゃんに嫌われてやんの〜♪」と煽りながらも相談に乗ってくれるみく。
「楽しく遊んでにこにこで帰ってきてくれたら、嬉しくない?」の言葉に、ゆきやは中学時代のことを思い返します。
こういうの心配になるよね。「ならついて行きなよ」と言うのは簡単だけど、まぁそうもいかなかったのでしょう。

「本当にわかなちゃんが困った時に、助けてあげたら?」というみくに、「そんなドラマみたいにタイミング良く止められないから、こうやって言うんだろ。」と返すゆきや。
こういうやりとりも後々効いてくるんですよね。(40話参照)
この作者は全体の話のつながりをちゃんと見ていて、それぞれのキャラクターが感じたこと、思ったことを大切に描写してくれるので、安心して一緒にキャラに思い入れを持てます。

「ピンチになったら颯爽と現れるヒーローって、かっこよくない?」と笑うみくの姿に「お前も気をつけろよ」と返すゆきや。
実際こんな可愛い子がこんな格好で夜中に出歩いちゃダメよ。
「私のグー、けっこう痛いしっ!」
「いざとなったら走って逃げるしっ、私足速いし。」(←足速いは「当社比」でしょうね)

そんなやりとりをしていると向かいから愉快そうな集団が。すれ違い様にチラッと見られて硬くなるみく、そんなみくを守るようにスッと前に出るゆきや。
心配したようなホッとしたような表情で見つめるみくに、「ほら見たことか…」と返すゆきや。
意外とムキになりがちなみくは「むぅっ…」としたあと
「そんなに心配ならさー、ゆきやが守ってくれたらうれしいんだけどな♪」と仕掛けますが、ゆきやは乗ってこず肩透かし。
まぁゆきやは真剣に心配してますからね。こればっかりは難しい。

そんなゆきやの様子を見て、
「わかなちゃんの気持ち、わかる気がする」
「女の子ってなにかにつけてあれこれ言われるもので…」
「それは…大切に思ってくれてるからで…」と理解を示すみく。
さらに
「転ばないように手をつないだり、泣いてたらずっとそばにいたり。」
「悲しい時は頭なでたり、友達の輪に入れない時、声かけたり。」
と続けますが、「そんな事、わかなにしてやったっけ?」の言葉で我に帰るみく。
ここの「ゆきやの魅力を羅列するみく」の構図好き。「あ〜、みくとゆきやにはこういう時間の積み重ねがあって惹かれていったんだな」ってのが見えて、とても好き。

顔を赤くし「ちょっと盛っちゃったかもしんないなー!」とごまかすみくは、「お兄ちゃんには叱られるんじゃなくて、味方になってほしかったんじゃないかな。」と続けます。
心当たりがありつつも「どーだかな。」と返したゆきやは「半分こ」のパキコを選びます。
そんな様子を見て「そういうちゃんとお兄ちゃんしてるところが、ゆきやのいいとこなんだよね。」と感じるみく。
ここで「いつも食ってるやつ新しいの出てたぞ」ってしっかり把握&おすすめしてくるところもいい!

家に帰りパキコを半分こして謝る二人。
返した恋キュンにはびっしり付箋が貼られていました。

ゆきやって思いやりがあって、やり方変だったりやりすぎたりすることもあるけれど、そういう「良さ」をみくがしっかり感じているところが温かい今話でしたね。
また2巻の巻末にはBONUS GAME「幼なじみは傍にいたい」として、帰り道の二人の様子が追加で描かれています。
そこにはわかなとみくを重ねて心配するゆきやの姿が。みくは「ゆきやはお兄ちゃんとしてかっこいいから、大丈夫だよ。」と返しますが、そんなみくの様子に、「お前も…ずっと傍にいてくれるか…?」と思うゆきやの姿が印象的でした。

ここまで読んでいると、ゆきや次第に見えるんですよ。徹底的な努力でどんどん魅力的になっていく幼なじみと、高校デビューでようやくスタートラインに立てた自分と。
ただ、これからのお話でそんなみくの抱える思いが明かされていくことで、読者の感情はどんどん揺さぶられていくのです…。

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