愛してるゲームを終わらせたいの感想を書く。第五話。
一日一話、愛してるゲームを終わらせたいの感想を書く。今日は第五話「幼なじみは誘いをかける」です。
(昨日「五〜七話はまとめてアップします」とお伝えしましたが、ボリュームがヤバくなりそうだったことと、文字数制限なくかけるおかげである程度イメージ通りにまとめられそうなので、これまで通り一話ずついこうと思います。すみません。)
……え?この二人当たり前にビデオ通話しながら勉強してんの?
という衝撃のスタート。羨ましいというかなんというか…。
他愛もない会話をしつつみくがひと足先に切り上げます。「えっ。」と言いつつ「寂しそうな声出してー」とみくに突っ込まれそれ以上踏みこまなかったゆきや。でも心中穏やかではない様子で「誰と通話してるんだろう」とか「もっと盛り上げられたんだろうか」と悶々としてしまいます。
わかるー!!こういうのめっちゃ気になるよね!でも彼氏でもないのに聞けないしみたいな。(笑)こういうゆきやの等身大なところすごく上手いし好き。
今の関係性に不安を覚え、「いつまで相手をしてくれるか」「この先どう気持ちが変わるか」と不安は膨らむばかり…。
喫茶Kanadeで雛子さんと匡琉さんに相談を持ちかけるゆきや。ここで雛子さんのフルネームが明かされますが、なんかすごい意味深に感じる。
愛してるゲームを終わらせたいのキャラクターって、植物が名前のモチーフになってるという説が自分の中にあって。(近政くんを除く)
浅葱、桜、藤、蘇芳などそれぞれのキャラクターに花言葉を込めた役割が当てられていると思うのね。で、喫茶Kanadeの二人組。多分あえて花と対応させてないんじゃないかな?と勝手に思ってる。
匡琉さんの「東雲」はいくつか植物にもつくことのある言葉だけど、ゆきやとみくの成長を見守る存在として「夜明け頃」の意味から当てられていると予想。(「匡琉」は多分作者の知り合いからもらったくらいの意味合いちゃうかな(笑))
一方、雛子さんですよ。植物に対応させたネーミングをしている中で「花葉」という苗字はあまりに印象的。一般に「花葉(かよう)」といえば、花を構成する各要素を指すことが多く、とすると「まだまだ未熟でこれから花を咲かせようとする蕾(植物)たち」と、そんな蕾を見守る「花葉」なのかな!?みたいな!でも下の名前は「雛子」なのよね。これって本人も大人になり切れてないからで、実際ここのエピソードでゆきやに対しアドバイスをくれる一方で、26話では「声優のオーディションに落ちちゃって」と未熟な存在であることが示されています。つまり彼女はゆきや(たち) を見守る「花葉」であり、彼女自身もまた「雛」なのである。みたいなね!そんな意味込められてるのかなーって妄想するとめっちゃエモいよね!!(←待って急に語るじゃん。)
話は戻り、ゆきやに「男の人に何をしてもらったら嬉しいですか?」と聞かれ「お金」「高級なバッグ、高級なコスメ、高級なネックレス」「あと高い時給」と笑顔で答えるひなこさん。
「私はお金をかけてくれるのが一番嬉しい。」というひなこさんに、「現実的というか冷めてるっていうか。」と返すゆきや。これに対するひなこさんの返答が沁みます。
「高いものを吟味するっていうのは、それだけ色んな『コスト』がかかってるんだよ。」
「大体の場合はさー、ネットでレビューそこそこのをポチれば無難じゃん?」
「でも『一番喜んでくれるものを…』ってなると、いいものを選ぶ分勿論お金はかかるし、考える時間、調べる時間足を運ぶ時間…色々なコストがかかるわけ」
「それを大切な人にもできるかってこと。」
「時間とお金をかければかけるほど、『貴方のためにこれだけのコストをかけました』『喜んでもらいたくて選びました』っていうのが大抵は伝わるんだよ。伝わりやすいんだよ。」
この話ね。さすが20歳にもなった大学生は高一男子とは考えが違うというか。ただそれをわかりやすく伝えてくれるあたり本当にありがたい存在ですね。
「少なくともひなこさんに割くコストはないッス。」と切り捨てながら、「でも、ありがとうございます。」とメッセージは響いた様子。
最後にみくがオムライスに飽きたと言っていたことを報告し、作戦を立て始めるゆきやであった。
一方みくは、家で料理中。ママさん、今日も残業なんかな…。なんかこういう描写見る度に、自分は残業しないでいち早く家に帰ろうと身につまされる思いがします…。
寂しげにスマホを見つめるみくに今度はゆきやから着信が。
ここの!10ページ下3コマの!!みくが一番好き!!!かも知れん。
ゆきやから着信があって、パァーって表情が明るくなって、そのあと!何この「…んー?」って!そのあと脚もじもじさせながら「なーに?どうしたのー?」って!可愛すぎんだろ!!
特にこの「…んー?」の表情たまらんですたい!
クッソ下手な切り出し方からズラズラとわけわからん理屈を並び立てるゆきや。ジト目みくが「…つまりなに?」と聞くと、腹を括ったように息を目一杯吸いこみ「…俺が手本見せてやるから日曜9時駅前集合な、(早口)じゃ。」と告げ電話を切る。
この後のみくの反応めっっっっちゃ可愛いよなぁ!もうほぼ踊っちゃってるじゃん(笑)
一方なんとかみくを誘うことに成功したゆきやは、「…これで後には引けない。」と「恋キュン(ゆーき作)」を参考にデートスポット、プランを考え始めます。
これまで幼なじみとして過ごしてきた二人にとって、目新しさのないスポットが出てくる中、「俺の知らないようなキラキラした場所に行くようなみくだぞ。」「コストをかけて…みくが一生忘れられないデートにしてやる…!!」と意気込むゆきや。初デートでこの気合いの入れよう、空回る未来しか見えないが、この青さが私は好きです。
みくもゆきやからデートに誘われた自覚はある模様。13ページ下のコマは完全に乙女の表情!
14ページ上のコマでソファに顔を埋めばたばたする姿も可愛いです。
そして愛してるゲームを終わらせたいの中でも屈指の名エピソード「みくの理想のデート」が語られます。
「ゆきやとお出かけなんて、いつぶりだろ…」と昔一緒にお出かけをした時のことを思い起こすみく。
「ゆきやケチだからフードコート行っても水だけだったり…」
「ゲーセン行ってもクレーンゲームとかやりたがらないんだよね。」
「でも一緒におっきいぬいぐるみとか取ったりしたい…!!したいしたいしたいー!!」とゴロンゴロンしてしまいます。
この「おっきいぬいぐるみとか取ったりしたい」。先に言うと今回のデートでは叶わないんですが、時が流れた35話!擬似カレカノとなった二人のデートで叶うんですね。
(時がとんで申し訳ないですが)35話6ページ右下のコマ、ゆきやにイカのぬいぐるみを押し付けられたみくの表情といったら!!!
堂本先生は「尊い」をふんだんに盛り込んでくれる作者ですが、尊いのためにキャラクターを犠牲にしたり刹那的な描写に終わらせることがないんですね。このエピソードでも、この場においてはみくの理想のデートは叶いませんが、ちゃんと後でその理想が叶えられる描写がある。
こういった登場人物の思いを無下にすることがなく、どこまでも寄り添ってくれるのが本当に素晴らしいと思います。
一通り盛り上がった後、「浮かれている場合じゃないな…」と冷静になるみく。クローゼットの美容グッズをフル動員し「日曜日までにバッチリ仕上げて、返り討ちにしてやる!!」とウキウキで準備を進めます。
この姿を見ちゃってるからなぁ…このあとの展開がなぁ…胃が痛いのよ。
かくして日曜日、わざわざ駅前で待ち合わせをした二人。みくは通りすがりのドアの反射で身だしなみを整える念の入れよう。待ち合わせ場所に着き、ゆきやの姿を見つけるみく。
この16ページの駅に着いてから描かれるみくが全部可愛い!デートの待ち合わせに向かう女子って、例外なく可愛く輝いて見えるものですが、それが見事に表現されていると思います。待ち合わせ場所にいるゆきやを見つけ、みくのドキドキは最高潮に!
息を整え、笑顔で「ゆきやっ!」と呼びかけるみく。
あまりの可愛さに見惚れるゆきやでしたが、「はっ」と我に返ったような仕草を見せたあと、背景に薔薇を背負い急にシブめの声で『今…来たとこ』と返します。
明らかに様子がおかしいゆきやに困惑するみくに対し、さらに『お前そんな格好で行くつもりか?』と続けるゆきや。これにはさすがのみくも固まり「うん?今なんて言った?」「私三日三晩悩んで今日も3時間かけて支度してきたんだが。『そんな』って言った?」とふつふつ…。
しかしマニュアルの完遂に夢中になり、そんなことに気づかぬゆきやは「ちょっと…ついてこい。」とスタスタ先に進んでしまう始末。
そうしてたどり着いた先はなんとレンタルドレスショップ!もうみくの頭の中は「?」で埋め尽くされてしまいました。
「何してんねん!」というツッコミが怒涛のように襲ってきそうなゆきやの対応ですが、彼なりの一生懸命さが感じられる要素も散りばめられており…。とはいえ胃の痛い展開は次話でも続くのでした…。
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