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愛してるゲームを終わらせたいの感想を書く。第十五話。

一日一話、愛してるゲームを終わらせたいの感想を書く。今日は第十五話「幼なじみは一つ屋根の下」です。

ついにゆきや家に乗り込んだみく。
わかなに対する振る舞いからもみくの明るさ、人柄が現れていてとても良いものですね。
そしていよいよ一歩を踏み出す時。スリッパをじっと見つめて緊張がちに「お…おじゃまします…」と言い、久しぶりのゆきやの家の様子に過去の光景を思い返していきます。部屋が輝いて見え、あの頃と同じにおい、景色に感慨深い様子。
こういう描写いいですね。

勝負エプロンを手に「ガン攻めしてノックアウトしてやる!!」と決意する表情はやや悪そうな顔(笑)妄想も過激になってきました。
しかしすぐに
「いや…ただ誘惑すればいいわけじゃない…」
「私はゆきやに…『可愛い』って…言ってもらうんだから…っ」
と思い直します。
こういういじらしいところがみくの可愛さであり、そして後に効いてくるんですね。本当にキャラクターの心情の描き方で丁寧です。

一方現在時間のゆきや。
「みくが俺ん家で飯作ってくれるって…?」
「なんだそれ…!最高すぎる…っ!!」
ととても素直な反応を見せます。
勝負エプロンを身に纏ったみくから目を離せず、一挙手一投足を負ってしまいます。ここのみく、ゆきや視点なのもありとても魅力的(←やや濁した表現)に描かれてますね!ネギを見つけて喜ぶ姿も可愛い。
そんなゆきやの姿に気付き、「私のエプロン姿がぶっ刺さっちゃったか〜?」と煽るみく。

当たり前だ!!とは言えず「でかいよだれかけかと思ったぜ。」と返すゆきや。
8話以来の「じゃあデザートは、お前がいい」を想像し決めようとするも意識し過ぎてたどたどしくなってしまいます。
そんな様子を見てみくからのまさかのカウンター
「おかえりのハグしてなかったっけー。」
「いいよ♡しよっ♡」
が炸裂!!すごい積極的!!

思わず手を払ったゆきやを見て「効いてるくない…??」と察し(当たり前だ!!)さらに攻勢を強め、味見を頼みつつフーフー攻撃をするみく。完全に意識しまくりながらなんとか味見をするゆきや。
そんな様子にみくは「やっぱり…めためた刺さってんじゃない!?」と確信します。(当たり前ry)
なおも上機嫌でゆきやの手伝いを受け入れるみく。めちゃめちゃ上機嫌なのに「やっぱ普段から斜に構えてるから、ナナメ得意なの?」と煽るセンス最高(笑)
そんな二人を見て既に胸焼けしそうになってるわかな。先は長いぞ!

さて、一通りの料理が終わり、わかなとゆきやの話す姿を見て、一抹の寂しさを覚えつつも「じゃあ、私は帰るね。」と伝えるみく。そんなみくにゆきやは
「…食ってけよ。」
「夕飯二人きりってのは…わかなさびしいよな?」
と妹をダシにしつつ夕飯に誘います。
わかなももちろん一緒に夕飯を食べたいので、「お兄も」と強調しつつ一緒に夕飯を取ることを提案し、髪の毛サワサワしながら嬉しそうに承諾するみく。可愛い。
みくのお母さんは仕事頑張ったりお家で過ごしたりでなかなか忙しそうな様子。私は定時で帰るようにしようと誓いました。

さて、楽しそうに鍋をつつくゆきやとみく、そんな二人を冷めた目で見るわかな。「キムチチゲが甘くなるんですけど」くらい言ってそう(笑)
やけに写実的な月の描写を挟みつつ、時刻も21時を回りそろそろ帰宅の時間。
家が目の前だけど「…送ってくよ。」とわざわざ外にでと出ようとするゆきや。何かを察したわかなは素直に二人を見送ります。
そしてゆきやはみくに今日のお礼を伝えます。
まぁなんだかんだわかなもいて二人きりで話す時間少なかったでしょうからね。
みくの料理を素直に認め感謝を伝えるゆきやの様子に嬉しそうに頷くみく。

「おやすみ。」を伝えますが…ドアが開かない。
鍵を忘れたことに気づいたみくとゆきやの間に静寂が流れ…
「…うち…泊まる…?」
「パタン…」
愛してるゲームを終わらせたい2・完

いやー、最後のこの演出!!綺麗過ぎんだろ!!
「鍵忘れた」の後二人の間を流れる風の音が聞こえ温度が、湿度が、匂いが伝わってくるよう。
さらに「…うち…泊まる…?」に対して言葉無く着いていくみくの姿、そして渾身の26ページ!
「パタン…」と閉まるドアとその下に入れられた
「愛してるゲームを終わらせたい2・完」
一つの単行本としてあまりに美しくまとめられていて感銘を受けました。

いよいよ次話、お泊まり回!!

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