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未見ならとにかく何も調べず観てほしい映画 (『トラペジウム』アドベントカレンダー2024・全25回の1)

さて12月である。そこそこ廃れてきたブログ世界でもアドベントカレンダー企画なんかが始まる時期だ。
こちらは2024年12月25日に予定されていた劇場アニメ『トラペジウム』のBlu-ray&DVD発売に合わせてアドベントカレンダー企画を勝手に計画していたところ、2025年2月26日に延期となり「ぐぬぬ……」となっている。
しかしまあ、元々「パッケージ発売に合わせて未見の人を想定読者として『トラペジウム』を多面的に紹介して勝手に販促」という企画だったのであれば、発売日が動いたところでコンセプトの半分は生きると思い直し、決行することにする。何より、東ゆうならこれくらいのことではへこたれないだろうし。


とにかく何も調べず観てほしい

さて、上で書いたことと真っ向から反する内容だが、未見であるなら、この映画はとにかく何も調べず観てほしい。しかしまあそんなことは無理なので、未見であるならせめて観るときはスマホを置いて、できれば一時停止もせずに、フルでそのまま観てほしい。それだけ"未見"であるなら、それはぜひ未見・前情報なしで観てほしい、そこにこそ映画体験の価値がある、そういう映画なのだ。

前情報なしで観た自分の経験

自分は前情報なしでどうして観たかといえば、理由としては「信頼するアニメ制作会社であるCloverWorksの産である」という、それだけだった。
CloverWorksがどう優れているか、それはまた後日語ることになるが、とにかくこの映画は"座組み"が変ではあった。
アイドルグループ乃木坂46原作×アニメ制作CloverWorks×主題歌VTuber星街すいせい。
これではかなりファン層が被らない。むしろ排他すると言ってしまってもいい。
アイドルグループをガチで追おうとすればアニメを観ている時間やVTuberを追う時間的金銭的余裕は自然となくなるし、逆にVTuberもガチで追っているならアイドルグループを追う時間的金銭的リソースは捻出できない。
更に、そのような消極的忌避だけではなく、「このグループ/VTuberで過去嫌な思いをすることがあったから、関わるすべては観ない」という積極的な忌避も発生する。実際のところ、親友と呼べるような友達のひとりは、そのような理由で劇場公開時に観てくれなかった。
まあしかし、そのようなことはもう一旦水に流して、作品に向き合ってほしい。そのような記事を書いている。
自分はどうだったかといえば、
乃木坂46(をはじめとするアイドルグループ)→否定的だが積極的に嫌いな訳では無い
VTuber→否定的で半ば積極的に嫌いだがそれだけで参加作品を否定する訳では無い
CloverWorks→積極的に肯定している
という、とにかくCloverWorksのファンだというその一点だけで観に行ったところがある。
その結果、当初の劇場公開の8週すべてで観に行くことになって、更に淡路島やら北海道にすら観に行って、トータルで人生断トツの25回以上という回数、劇場で同じ映画を観ることになったのは不思議なことではある。
何がそんなに気に入ったか。気に入ったというのも少し違う気がするのだが、初回で得た鮮烈な印象とかなりの違和感、その違和感を確かめるために観に行った2回目で得た確信に近い深い納得、2回目で得た確信を確かめるために行った3回目の印象、そしてその後の周回でも毎回のように得た新発見、それらが劇場に足を運ばせた大きな理由だと、今となっては思う。
そして、その初回で得られる違和感、そしてその違和感を抱いたまま2回目で得られる確信体験というのは、おそらくその人、その人だけの個人だけのものであって、それは前情報の摂取で減じてしまう可能性がある。
なのでできれば前情報なしで観てほしいし、その後に(このブログを含めた)既視聴者の情報を含めて観てほしい。
そのあたりの機微を解説したい。

こういうこと(自分の理解)

『トラペジウム』のイメージ

これを見て、どう感じるか。人によって拾う単語は大きく変わると思う。
ここからは前掲の表に基づいた「たとえ話」になるが、左端にある「財破」「歴史的」だけ拾って、歴史的な財政破綻という話だと思う人も多いだろう。
しかし、それは違う。いや違うこともないんだけれども、実のところ"正しい読み方"みたいなのはあり、それを踏まえると「歴史的な財政破綻を描いた話」ではない。明らかにそうではないはとわかる。分かるんだけども、そうではなく1度目、初回で感じた感想もまた間違いでも無いと、そう思ってもらいたい。確かに書いてあることではあるのだから。
(なお、これは『トラペジウム』公開初日に出てきた「主人公の東ゆうがとんでもないサイコパスだ」という話に寄せているつもりの例え話でもある。そうではない。そうではないのだが、そう初回で受け取るのも"間違いではない"と、そういうつもりだし、だからこそ2回目を観てほしいという"祈り"で書いている。)
『トラペジウム』は「誤読」ができる圧倒的な情報量と懐の深さのある映画だと、大まかに「そう」ご理解いただければ幸いである。

まあ「何のことだ」という話なのは承知の上で、以後は、初回鑑賞の障りにならないようには、の映画の魅力を紹介していくつもりなので、しばらくお付き合いいただきたい。


#アドベントカレンダー

『トラペジウム』関連BDDVD・原作・サントラ:


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